OBS Studioのノイズ抑制フィルターでRNNoiseを使用すると、リップノイズや息を吸う音を効果的に減らせる一方で、特定の発音が欠けたり、声の一部が消えたりすることがあります。特に「せ」「つ」などの高周波成分を含む音は、AIノイズ除去の処理によって誤ってノイズと判断される場合があります。
この記事では、RNNoiseの性能を活かしたまま発音の欠落を減らすために、OBS側の設定やマイク環境の調整方法について詳しく解説します。
RNNoiseで「せ」「つ」などの音が消える理由
RNNoiseはAIを利用したノイズ抑制機能で、人の声と不要な音をリアルタイムで判別しています。一般的なノイズゲートよりも自然な除去ができますが、すべての音を完璧に判別できるわけではありません。
特に「せ」「し」「つ」などの子音は、高い周波数帯域を多く含んでいます。これらの音は、マイクに入るノイズ成分や息の音と特徴が似ているため、RNNoiseが不要な音として処理してしまうことがあります。
例えば「せんぱい」「つよい」などの言葉を話した時に、母音部分は残るものの最初の子音だけ消える場合は、RNNoiseによる過剰なノイズ除去が原因の可能性があります。
RNNoiseを変更せずに改善する基本設定
RNNoise自体を変更したくない場合は、まずOBS内の音声フィルターの組み合わせを見直します。RNNoise単体で処理すると、必要な声成分まで削られることがあります。
おすすめの順番は以下のような構成です。
| フィルター | 目的 |
|---|---|
| ノイズ抑制(RNNoise) | 環境ノイズやファン音を低減 |
| コンプレッサー | 声量を安定させる |
| リミッター | 音割れ防止 |
RNNoiseの前に強いゲイン調整やノイズゲートを入れている場合、処理前の音声情報が不足して発音が消えやすくなることがあります。
マイク入力レベルを調整して発音欠落を防ぐ
RNNoiseで声が消える場合、マイク入力が小さすぎることも原因になります。AIノイズ抑制は入力された音声を分析して処理するため、声が小さいほどノイズと判断されやすくなります。
OBSの音量メーターで、通常の会話時に声が緑色から黄色付近まで振れる程度に調整すると安定しやすくなります。
例えば、マイク音量を低く設定して後からOBSの音量フィルターで大きくしている場合、RNNoiseには小さい音声しか届かず、子音だけ削られることがあります。
マイクとの距離や話し方を調整する
RNNoiseの性能を維持するには、ソフト側だけでなくマイクへの入力状態を整えることも重要です。
マイクとの距離が遠い場合、声よりも部屋の反響音や環境ノイズの割合が増えます。その結果、RNNoiseが声の一部をノイズとして処理しやすくなります。
一般的にはマイクを口元から10〜20cm程度に配置し、マイクの正面ではなく少し斜め方向から話すことで、息の音を抑えながら声を拾いやすくなります。
RNNoiseの前後に追加すると効果的なOBSフィルター
RNNoiseを維持したい場合は、別のフィルターで負担を減らす方法もあります。
例えばRNNoiseの前に軽いイコライザー調整を行い、不要な低音や環境ノイズを減らしておくと、RNNoiseが声の判別をしやすくなります。
- 低すぎる低音を少しカットする
- マイクの入力音量を適正化する
- 過度なノイズゲートを避ける
- コンプレッサーで声量差を減らす
ただし、強いイコライザー設定や極端な音量処理をすると逆に自然な発音が失われるため、少しずつ調整することが大切です。
Clarity VxとRNNoiseの違いを理解して使い分ける
Clarity Vxのような専用ノイズ除去プラグインとRNNoiseでは、処理方法が異なります。
Clarity Vxは声を残す処理に強い一方、RNNoiseはOBSに標準搭載されており、配信環境で低負荷に動作するメリットがあります。
そのため、RNNoiseでリップノイズや息の音を十分に減らせている場合は、発音が消えない範囲まで設定を調整する方が、安定した配信環境を作りやすくなります。
まとめ|RNNoiseは設定と入力環境の調整で発音欠落を減らせる
OBSのRNNoiseで「せ」「つ」などの音が消える場合、RNNoiseそのものを変更する必要はありません。多くの場合、マイク入力レベルやフィルター構成を調整することで改善できます。
特に重要なのは、RNNoiseに十分な声情報を入力することです。小さすぎる音声やノイズが多い環境では、AIが声とノイズを誤認識しやすくなります。
マイク位置、入力音量、OBSフィルターの順番を見直しながら調整することで、リップノイズや息の音を抑えつつ、自然な発音を維持した音声設定に近づけることができます。


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