手書きの線画イラストをIllustratorで編集可能なベクターデータにしたい場合、単純に画像トレースを行うだけでは思ったような線にならないことがあります。特にペンで描いたイラストを、一重の線として扱い、線幅変更や内側の着色ができるデータに変換したい場合には、適切な方法を選ぶことが重要です。この記事では、Illustratorで手描き線画をベクター化する方法や、自動トレースの特徴、きれいに仕上げるためのポイントを解説します。
Illustratorで手書きイラストのベクター化は可能なのか
Illustratorには「画像トレース」という機能があり、スキャンした手描きイラストや写真をベクターデータへ変換できます。そのため、手書きの線画をIllustratorファイルとして編集可能な状態にすることは可能です。
ただし、画像トレースは元画像の輪郭を認識してパスを作成する仕組みです。そのため、ペンで描いた線をそのまま一本の線として認識するわけではありません。
例えば黒いペンで描いた丸を自動トレースすると、線そのものではなく「黒い部分の外側と内側の境界」をパス化するため、輪郭を囲んだ二重線のような状態になることがあります。
自動トレースで一重線のイラストにする方法
Illustratorの画像トレースには、設定を調整することで線画に近い結果を作る方法があります。画像を配置した後、「画像トレース」パネルから「白黒ロゴ」などのプリセットを選択し、しきい値や詳細設定を調整します。
ただし、通常の画像トレースでは線の中心を認識してパス化するわけではないため、完全な一重線データを自動で作ることは難しい場合があります。
例えば、水性ペンで描いた細い線画の場合、線の太さや濃淡によっては輪郭データとして変換されるため、後から線幅を変更できるIllustratorの「線」状態にはなりません。
手書き線画をきれいなベクター線にするおすすめの方法
線の太さを変更したり、丸の内側に色を付けたりしたい場合は、画像トレース後にパスを整理する方法が一般的です。
具体的には、画像トレース後に「拡張」を実行し、不要なアンカーポイントを削除したり、パスファインダーで形を調整したりします。その後、必要な部分を線として描き直すことで、編集しやすいデータになります。
また、元の手描きイラストがシンプルな線画であれば、Illustratorのペンツールを使って手動でトレースするほうが、結果的に早くきれいに仕上がることもあります。
Illustratorのバージョンによる違いはあるのか
画像トレース機能自体は古いIllustratorにも存在しますが、近年のバージョンほど認識精度や操作性は向上しています。
特にIllustrator CS以降のバージョンではライブトレース機能が搭載され、その後のCCシリーズでは画像トレースとして改良されています。
ただし、最新バージョンを使っていても、手描き線を完全な一本線として自動変換する機能ではありません。最終的な仕上がりを重視する場合は、人による調整が必要になるケースがあります。
線画をベクター化するときにきれいに仕上げるコツ
ベクター化の精度を高めるには、元の手描きデータをできるだけきれいに取り込むことが重要です。
例えば、スキャン時の解像度を高くする、紙の汚れや不要な影を取り除く、黒い線をはっきりさせるなどの処理を行うと、画像トレースの結果が改善されます。
また、完成後にロゴやイラストとして使用する場合は、自動変換だけに頼らず、必要な部分を手作業で修正することでプロ品質のデータに近づけることができます。
まとめ|Illustratorで手書き線画を一重線データにするには調整が必要
Illustratorを使えば手書きイラストをベクター化することは可能ですが、自動トレースだけで線の中心を拾った一重線データに変換するのは難しい場合があります。
線幅を変更できるようなデータにしたい場合は、画像トレース後の編集やペンツールによる手動トレースを組み合わせる方法がおすすめです。
簡単な線画なら自動トレースを活用し、細かいイラストやデザイン用途なら手作業で調整することで、Illustrator上で扱いやすいベクターデータに仕上げることができます。


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