Adobe Illustratorで作成した線画を、アイビスペイントで着色したいという場合は、データの受け渡し方法を工夫することで可能です。Illustratorはベクター形式の線をきれいに作成するのが得意で、アイビスペイントはブラシや色塗り作業に向いているため、2つのソフトを組み合わせる制作方法もよく使われます。
この記事では、Illustratorで作った線画を背景透過の状態でiPadのアイビスペイントへ移す方法、さらに印刷用に300dpi〜350dpiへ設定する方法を初心者向けに解説します。
Illustratorの線画をアイビスペイントで塗ることは可能
Illustratorで線画を作成し、アイビスペイントで色を塗る作業は問題なくできます。ただし、Illustratorのデータ形式であるAIファイルは、そのままアイビスペイントで編集できません。
そのため、Illustratorから線画を書き出して、アイビスペイントで読み込める形式に変換する必要があります。
一般的には以下の流れで作業します。
- Illustratorで線画を作成する
- 背景を透明にした状態で書き出す
- iPadへデータを送る
- アイビスペイントで読み込んで着色する
この方法なら、Illustratorのきれいな線を活かしながら、アイビスペイントの豊富なブラシや塗り機能を利用できます。
Illustratorから背景透過で書き出す方法
アイビスペイントで線画だけを使いたい場合は、背景を透明にしたPNG形式で書き出す方法がおすすめです。
Illustratorで以下の設定を行います。
- 線画を完成させる
- 「ファイル」から「書き出し」を選択する
- 形式をPNGに設定する
- 背景を「透明」に設定する
- 解像度を設定して保存する
透明背景で保存すると、アイビスペイント上で白い背景が表示されず、線画レイヤーとして扱いやすくなります。
例えば黒い線だけを書き出した場合、アイビスペイントで下のレイヤーに色を置くだけで、線画を残したまま塗り作業ができます。
線画データをiPadへ移す方法
Illustratorから書き出したPNGファイルは、以下の方法でiPadへ送ることができます。
- AirDropを利用する
- iCloud Driveに保存する
- Googleドライブなどのクラウドを利用する
- メールで送信する
Apple製品同士であればAirDropが最も簡単です。MacからiPadへ送る場合は、PNGファイルを選択して共有メニューからAirDropを選ぶだけで転送できます。
Windowsパソコンの場合は、クラウドストレージを利用すると安定してデータを移動できます。
アイビスペイントで線画を読み込む方法
iPadへ移したPNG画像は、アイビスペイントでキャンバスに読み込みます。
基本的な手順は以下の通りです。
- アイビスペイントを起動する
- 新規キャンバスを作成する
- 「レイヤー」メニューから画像読み込みを選択する
- Illustratorで作成したPNGを選ぶ
読み込んだ線画レイヤーは、必要に応じて「乗算」などの合成モードに設定すると、下の色を自然に見せることができます。
印刷用の350dpiに設定する方法
印刷を目的とする場合は、解像度(dpi)の設定が重要です。dpiとは、1インチあたりに配置されるドット数を表す数値で、数値が高いほど細かい印刷に向いています。
アイビスペイントでは、キャンバス作成時に解像度を設定できます。
- 新規キャンバス作成を選択する
- 印刷するサイズを決める
- 解像度を300dpi〜350dpiに設定する
- 作成後にイラストを配置する
例えばA4サイズで印刷する場合、350dpiに設定すると高品質な印刷に必要な十分な画素数になります。
注意点として、すでに小さいサイズで作成した画像を後から350dpiに変更しても、元の情報量が増えるわけではありません。最初から印刷サイズを考えてキャンバスを作成することが大切です。
印刷用データを作る時のおすすめ設定
学校課題などで印刷提出する場合は、以下の設定にすると失敗しにくくなります。
| 項目 | おすすめ設定 |
|---|---|
| 解像度 | 300dpi〜350dpi |
| カラーモード | 印刷指定がある場合はCMYKを確認 |
| 保存形式 | PNGまたは指定された形式 |
| 線画 | 背景透過PNGで保存 |
特に印刷所へ入稿する場合は、RGBとCMYKの違いによって色味が変わることがあります。提出先の指定がある場合は、それに合わせるようにしてください。
まとめ
Illustratorで線画を作成し、アイビスペイントで塗る制作方法は可能です。Illustratorから背景透過PNGとして書き出し、iPadへ転送することでスムーズに着色できます。
また、印刷用イラストを作成する場合は、最初にアイビスペイントのキャンバスを300dpi〜350dpiに設定しておくことが重要です。
線の美しさはIllustrator、自由な着色はアイビスペイントというように、それぞれのソフトの得意分野を活かすことで、初心者でも高品質なイラスト制作ができます。


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