Power Queryで共有フォルダ内のCSVデータを取り込み、Excelファイルへ統合する仕組みを作成すると、毎月の集計作業を大幅に効率化できます。しかし、作成したPCでは正常に動くのに、別のPCでは「フォルダが見つからない」「パスが違う」といったエラーが発生することがあります。
この問題の多くは、Power Queryが保存しているファイルパスが特定のPC環境に依存していることが原因です。この記事では、複数PCでPower Queryを利用するための正しいフォルダ指定方法や、共有フォルダを扱う際の設定ポイントについて解説します。
Power Queryが別PCで動かない主な原因
Power QueryでCSVファイルを取得する場合、通常は「C:\Users\ユーザー名\Desktop\出荷情報\CSVデータ」のような絶対パスが保存されます。
このパスは作成したPCでは存在しますが、別のPCではユーザー名や保存場所が異なるため、同じ場所を参照できません。
例えば、AさんのPCでは「C:\Users\tanaka\出荷情報\CSVデータ」、BさんのPCでは「C:\Users\sato\出荷情報\CSVデータ」となっている場合、Power Queryから見ると別のフォルダになります。
共有フォルダを使う場合はローカルパスではなく共有パスを指定する
複数PCで同じPower Queryを利用する場合は、各PC固有のCドライブ内のパスではなく、ネットワーク共有フォルダのパスを利用することが基本です。
例えば社内サーバーやNASに「出荷情報」フォルダを置いている場合は、「\\サーバー名\共有フォルダ名\出荷情報\CSVデータ」のようなUNCパスを使用します。
UNCパスで指定すると、どのPCからアクセスしても同じ場所を参照できるため、Power Queryの設定を共有しやすくなります。
Power Queryでフォルダ指定を変更する方法
既存のPower Queryのパスを変更する場合は、Excelの「データ」タブから「クエリと接続」を開き、対象のクエリを編集します。
Power Queryエディターが開いたら、「ソース」のステップを確認します。ここに現在参照しているフォルダパスが設定されています。
例えば、以下のような設定になっている場合があります。
C:\Users\ユーザー名\出荷情報\CSVデータ
これを共有フォルダの場合は以下のように変更します。
\\共有サーバー名\出荷情報\CSVデータ
このように固定ユーザー名を含まないパスへ変更することで、別PCでも同じクエリを利用できます。
環境によって変わるパスをPower Queryで管理する方法
どうしてもPCごとに保存場所が異なる場合は、Power Queryのパラメーター機能を利用する方法があります。
例えば、「CSVフォルダの場所」というパラメーターを作成し、その値だけを各PC環境に合わせて変更する仕組みにします。
この方法では、Power Query本体の処理内容を変更する必要がなく、利用者ごとにフォルダ場所だけ変更できます。
業務で複数人が同じExcelマクロや集計ファイルを利用する場合、このようなパラメーター管理にすると保守性が高まります。
Excelファイルを共有フォルダ内に置く場合の注意点
出荷データ.xlsmのようなマクロ付きExcelファイルを共有利用する場合、ファイルの保存場所や権限にも注意が必要です。
共有フォルダへのアクセス権がないPCでは、Power Queryの更新以前にCSVファイル自体を読み込めません。
また、Excelのセキュリティ設定によっては、共有フォルダ上のマクロが無効化される場合があります。利用者全員が同じ権限や信頼済み場所の設定になっているか確認するとトラブルを防げます。
マクロでパス取得する方法がうまくいかない理由
VBAで現在のファイル場所を取得し、そのパスをPower Queryへ渡す方法もありますが、設定が複雑になる場合があります。
Power Queryは基本的にM言語で処理を管理しているため、VBA側で取得した値を正しくクエリへ渡す仕組みを作る必要があります。
単純にマクロでパスを取得しただけでは、Power Queryの参照先は自動的には変わりません。そのため、まずは共有フォルダのUNCパスやパラメーター機能を検討する方が安定します。
複数PC利用を前提にしたPower Query設計のポイント
Power Queryを複数人で利用する場合は、最初の設計段階で「誰が使っても同じ場所を参照できるか」を考えることが重要です。
おすすめの構成は、共有フォルダ内に以下のような整理をする方法です。
・出荷情報フォルダ
・CSVデータフォルダ
・集計用Excelファイル
・バックアップフォルダ
フォルダ構成を固定し、共有パスで参照することで、担当者が変わっても同じ仕組みを利用できます。
まとめ
Power Queryを別PCでも利用するには、Cドライブ内のユーザー固有パスを使わず、共有フォルダのUNCパスを利用することが最も基本的な解決方法です。
また、PCごとに保存場所が違う場合は、Power Queryのパラメーター機能を利用することで柔軟に対応できます。
複数人で出荷データなどを管理する場合は、フォルダ構成やアクセス権を最初に整え、誰が使っても同じデータを参照できる仕組みにすることで、Power Queryを安定して運用できます。


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