複数のExcelファイルを開いて必要なデータをコピーし、別の資料へ貼り付ける作業は、時間がかかるだけでなく入力ミスや集計ミスも起こりやすい業務です。特に作成者ごとに表記や形式が異なる場合、単純な関数だけでは管理が難しくなります。
このようなExcel集計作業では、Power Query(パワークエリ)を活用することで、複数ファイルからデータを自動取得し、加工や統合まで行えるようになります。この記事では、Excel業務の効率化につながるデータ集計方法や、Power Queryを使う際の考え方、その他の改善方法について解説します。
複数Excelから手作業でデータを集める問題点
複数のExcelファイルから情報を集める作業では、ファイルを開く、対象データを探す、コピーする、貼り付けるという工程を毎回繰り返す必要があります。
例えば、営業所ごとの予算データ、経費データ、売上データなどを別々のExcelから集める場合、ファイル数が増えるほど作業時間は増加します。また、貼り付ける場所を間違えたり、古いファイルを参照したりするミスも発生しやすくなります。
さらに「東京営業所」「東京」のように表記が統一されていないデータでは、SUMIFやVLOOKUPなどの関数だけでは正確な集計が難しくなることがあります。
Power Queryを使うとExcel集計作業を自動化できる
Power Queryは、Excelに標準搭載されているデータ加工・統合機能です。複数のExcelファイルやCSVファイルからデータを取り込み、決めた手順で加工して1つの表にまとめることができます。
例えば、毎月同じ形式で作成される営業所別の予算ファイルがある場合、Power Queryでフォルダーを指定しておけば、新しい月のファイルを追加するだけでデータを更新できます。
一度作成した加工手順は保存されるため、翌月以降は「更新」ボタンを押すだけで最新データを反映できます。毎回コピー&ペーストしていた作業を大幅に減らせます。
Power Queryでできる具体的なデータ加工例
Power Queryでは、取り込んだデータの形を整えることができます。例えば、営業所名の表記ゆれを修正したり、不要な列を削除したり、複数の表を縦方向につなげたりすることが可能です。
例えば、あるExcelでは「東京営業所」、別のExcelでは「東京」と入力されている場合、Power Queryの置換機能を使って統一した名称へ変換できます。
また、売上一覧、経費一覧、予算一覧など別々に管理されているデータを結合し、最終的な資料作成用の一覧表を自動生成することもできます。
Power Queryを導入する前にデータ形式を整理する
Power Queryは非常に便利ですが、元データの状態が悪い場合は、最初にデータの整理が必要になります。
例えば、タイトル行が毎回違う位置にある、セル結合が多い、空白行が大量にある、入力ルールが統一されていないといったExcelでは、加工処理が複雑になります。
理想的には、入力用Excelでは「1行目を項目名」「1行につき1データ」「セル結合を避ける」といった表形式にしておくことで、Power Queryの効果を最大限発揮できます。
Power Query以外に検討できるExcel効率化方法
業務内容によっては、Power Query以外の方法が適している場合もあります。
例えば、同じ形式のデータを定期的に集計するだけなら、Excelのピボットテーブルや関数でも対応できます。XLOOKUP、SUMIFS、FILTER関数などを組み合わせることで、比較的簡単な集計なら自動化できます。
一方で、複数ファイルをまたぐ処理や、毎月繰り返すデータ加工がある場合は、Power Queryの方が管理しやすくなります。
さらに高度な自動化ならマクロやRPAも選択肢
Power Queryで対応できない複雑な操作がある場合は、Excel VBA(マクロ)やRPAツールを利用する方法もあります。
例えば、決まった場所からファイルを取得し、加工後にメール送信するような一連の作業は、マクロやRPAによる自動化が向いています。
ただし、マクロは作成者が異動すると修正できる人が限られる場合があります。そのため、まずはPower Queryのような標準機能で対応できないか検討すると、長期的に管理しやすい仕組みになります。
複数Excel集計を改善するための進め方
いきなり全ての作業を自動化しようとすると、かえって複雑になることがあります。まずは現在の作業工程を書き出し、どの部分に時間がかかっているかを確認することが重要です。
例えば「毎月同じファイルから予算だけ取得している」「営業所名の修正に時間がかかる」といった部分からPower Query化すると、効果を実感しやすくなります。
また、データの入力ルールを統一することも大切です。自動化の成功には、ツールだけではなく、元となるデータ管理方法の改善も大きく影響します。
まとめ
複数のExcelファイルからデータを集めて資料を作成する業務では、毎回のコピー&ペースト作業を続けるより、Power Queryを活用した自動集計がおすすめです。
Power Queryを使えば、複数ファイルの取り込み、データ形式の修正、表の結合などを一度設定するだけで繰り返し利用できます。
ただし、最も重要なのはデータの形式を整えることです。入力ルールを統一し、Power QueryやExcelの各機能を適切に組み合わせることで、手作業中心だった資料作成業務を効率化できます。


コメント