HC-05 Bluetoothモジュールを使ったArduino間の通信設定で問題が生じることがあります。特に、親機(マスター)と子機(スレーブ)としての役割を設定する際に躓くことがよくあります。この記事では、HC-05を親機と子機に設定する方法や、接続状態の確認方法について詳しく解説します。
1. HC-05の親機(マスター)と子機(スレーブ)の設定
HC-05モジュールを使用して、Arduino間でBluetooth通信を行うためには、まず親機(マスター)と子機(スレーブ)を適切に設定する必要があります。ATコマンドモードでの設定が重要です。以下の手順で設定を確認しましょう。
- ATコマンドモードに入る – HC-05モジュールをATコマンドモードにするには、モジュールの「EN」ピンをHIGHにして電源を入れ、ボタンを押しながら電源をオンにします。
- 親機・子機の設定 – ATコマンドで『AT+ROLE=1』を送信し、親機(マスター)に設定します。『AT+ROLE=0』を送信すると子機(スレーブ)になります。
- 設定の確認 – 設定が反映されているか、『AT+ROLE?』で確認できます。親機(マスター)設定が成功すれば、応答として「1」が返ってきます。
ATコマンドの送信後に、応答がない場合や設定変更ができない場合は、接続の問題やモジュールの状態を再確認する必要があります。
2. HC-05の接続確認とLEDの状態
HC-05モジュールはLEDの点滅状態で現在の動作を示します。接続の状態をLEDの点滅パターンで確認できます。以下の点滅パターンを参考にしましょう。
- 接続待ち – 高速で点滅。
- ATコマンドモード – ゆっくりと点滅。
- 接続済み – ゆっくり2回点滅。
- 接続済み(正常状態) – ゆっくり5回点滅(この状態に切り替わるのは、正しくペアリングが完了した場合)。
接続が成功した場合、HC-05モジュールが自動的に「接続済み」状態に切り替わることを確認できます。
3. ATコマンドモードの操作方法
ATコマンドモードでは、モジュールに対して様々な設定を行うことができます。モジュールの設定を変更するためには、まずATモードに入る必要があります。以下のコマンドを使用して、必要な設定を行います。
- 接続の確認 – 『AT』コマンドを送信してモジュールが応答するか確認します。
- バージョン確認 – 『AT+VERSION』でファームウェアのバージョンを確認できます。
- PINコードの設定 – 『AT+PSWD』でPINコードの変更ができます。
- ボーレートの設定 – 『AT+UART』で通信速度を設定します。
これらの設定を適切に行うことで、HC-05モジュールが期待通りに動作します。
4. トラブルシューティングと注意点
ATコマンドで設定がうまくいかない場合や接続ができない場合、以下の点を確認してみましょう。
- モジュールがATコマンドモードに入っているか – ボタンを押しながら電源を入れてATコマンドモードに入れることを確認します。
- 電源供給の確認 – HC-05モジュールが十分な電力を供給されていることを確認してください。
- 接続の再確認 – 親機(マスター)と子機(スレーブ)の設定が正しく行われているか再確認してください。
もし、接続がうまくいかない場合や設定変更ができない場合は、HC-05モジュールを再起動して、再度設定を試みることが効果的です。
まとめ
HC-05を使ったBluetooth通信の設定は、ATコマンドモードで親機(マスター)と子機(スレーブ)を適切に設定し、接続状態を確認することが重要です。LEDの点滅パターンを確認しながら、設定が正しく反映されているかをチェックしましょう。トラブルシューティングの際には、接続状態や電源供給の確認を行うことで、スムーズに通信ができるようになります。


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