AWS(Amazon Web Services)のSSH接続では、セキュアな通信のためにSSH鍵ペアが使用されます。Puttygenで作成するキーと、EC2インスタンス側で作成するキーにはどのような違いがあるのでしょうか?この記事では、その違いと使い分けについて解説します。
1. Puttygenで作成したSSHキー
Puttygenは、Windows環境で使用されるSSH鍵ペア生成ツールです。AWSで使用する場合、Puttygenを使って生成した秘密鍵(.ppkファイル)は、主にWindowsのSSHクライアント(例: PuTTY)で使用されます。
Puttygenで作成する場合、以下のようなプロセスが含まれます。
- Puttygenを使って鍵ペア(公開鍵と秘密鍵)を生成
- 公開鍵をEC2インスタンスにアップロード
- 秘密鍵をローカルマシンに保存し、PuTTYやWinSCPなどのクライアントソフトで使用
Puttygenを使用する際の特徴は、Windows専用であること、そして生成した秘密鍵をPuTTYやその他のSSHクライアントで利用する点です。
2. EC2インスタンスで作成したSSHキー
AWS EC2インスタンスを作成する際に、AWSコンソールで「新しいキーペア」を作成するオプションがあります。この方法で生成された鍵ペアは、公開鍵と秘密鍵の両方がAWS上で管理され、秘密鍵(.pemファイル)はローカルに保存してSSH接続に使用します。
EC2インスタンス側で作成したSSHキーの特徴は、以下の通りです。
- AWSコンソールから直接作成でき、簡単に設定できる
- インスタンス作成時に秘密鍵(.pemファイル)がダウンロードされ、接続時に使用
- 生成された秘密鍵は、Unix/LinuxのSSHクライアント(例: OpenSSH)でも使用可能
EC2インスタンスで生成したSSHキーは、プラットフォームに依存せず、幅広い環境で使用することが可能です。
3. PuttygenとEC2のSSHキー作成の違い
PuttygenとEC2インスタンスでのキー作成には、主に以下の違いがあります。
- 用途: Puttygenは主にWindowsで使用されるSSHクライアントとの互換性がありますが、EC2で生成されたキーはUnix/Linuxベースの環境でも利用可能です。
- 秘密鍵の形式: Puttygenで生成される秘密鍵は.pkk形式で、PuTTYなどWindows専用のSSHクライアントで使用されます。一方、EC2で生成された秘密鍵は.pem形式で、Unix/LinuxのOpenSSHクライアントで使用されます。
- 管理方法: EC2で生成したSSHキーは、AWS側で管理され、インスタンス作成時に指定したキーを使用して接続します。Puttygenで生成した鍵は、手動でAWSにアップロードし、手元で管理する必要があります。
4. どちらを選ぶべきか
選択肢としては、主に以下の要素を考慮に入れて決定します。
- プラットフォーム: Windowsユーザーであれば、Puttygenが便利ですが、Unix/Linux環境で作業するならEC2インスタンスで生成された.pemファイルを利用する方が簡単です。
- 使用するクライアント: SSH接続にPuTTYなどWindows専用のクライアントを使う場合、Puttygenで生成した鍵を使用するのが適しています。LinuxやmacOSでの接続を考えている場合、EC2で生成された.pem鍵が適しています。
5. まとめ
Puttygenで生成されたSSH鍵と、EC2インスタンス側で生成された鍵には用途と互換性の違いがあります。Windows環境でSSH接続を行う場合はPuttygenを、Linux/macOS環境での利用を考えるならEC2インスタンスで生成された.pem鍵を使用するのが一般的です。自分の利用する環境や接続クライアントに合わせて、最適な方法を選択することが重要です。


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