Windows11にアップグレードした後、マウスホイールを押してもブラウザの自動スクロール機能(スクロールアイコンが出て自動で上下する機能)が使えなくなったというケースがあります。この記事では、その原因と解決方法を詳しく解説します。
1. 自動スクロール機能とは?
マウスのホイールを押し込むことで中央に「上下矢印付きのアイコン」が表示され、マウスの動きに合わせて自動でスクロールする機能を「自動スクロール(オートスクロール)」と呼びます。特にブラウザやPDF閲覧時に便利な機能で、Windows10では標準的に利用できました。
しかし、Windows11では一部の設定変更やマウスドライバーの仕様変更により、この機能が無効化される場合があります。
2. ブラウザの設定を確認する
まず、使用しているブラウザ側で自動スクロールが無効になっていないかを確認します。
- Google Chromeの場合:
設定 → システム → 「自動スクロールを許可する」が有効になっているか確認します。 - Microsoft Edgeの場合:
設定 → アクセシビリティ → 「自動スクロール機能」がオンになっているか確認します。 - Firefoxの場合:
設定 → 一般 → ブラウジング → 「自動スクロールを使用する」にチェックが入っているか確認します。
どのブラウザでも設定変更後は、一度再起動を行うと確実に反映されます。
3. マウスのドライバー設定を見直す
Windows11では、マウスのドライバーが標準ドライバーに置き換わることで、一部の機能が動作しなくなることがあります。特にLogicoolやELECOMなどの外付けマウスを使っている場合は、専用ドライバー(例:Logicool Options+)をインストールして設定を確認してください。
また、マウス設定の確認方法は次の通りです。
- 設定 → Bluetoothとデバイス → マウス → 「その他のマウス設定」をクリック
- マウスのプロパティ → 「ボタン」タブで「ホイールボタンの機能」が「自動スクロール」になっているかを確認
もし「ミドルクリック」や「無効」になっている場合は、「自動スクロール」に変更して適用しましょう。
4. レジストリ設定の確認(上級者向け)
上記の方法で改善しない場合、Windows11のレジストリ設定が影響している可能性もあります。レジストリエディターで以下のキーを確認してください。
HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
ここに「WheelScrollLines」という項目が存在し、値が「3」や「1」などの数値になっていることを確認します。値が「0」になっているとスクロールが無効になる場合があります。
※レジストリの編集は慎重に行いましょう。バックアップを取ってから操作するのが安全です。
5. Windowsの設定リセットで直る場合も
Windows11の設定やドライバー更新によって、マウス設定が正しく反映されないケースがあります。その場合、以下の方法で設定をリセットしてみましょう。
- 設定 → Bluetoothとデバイス → マウス → 「既定に戻す」をクリック
- または、マウスドライバーを削除して再起動後に再インストール
これにより、自動スクロールの機能が復帰することがあります。
6. まとめ
Windows11でマウスホイールを押しても自動スクロールができない場合、主な原因は以下のいずれかです。
- ブラウザの自動スクロール設定が無効
- マウスドライバーの機能設定が変更されている
- Windowsの設定やレジストリ値が影響している
順に確認することで、多くの場合は改善が見込めます。Windows11では特にマウスドライバーやブラウザ設定の確認が重要です。必要に応じてドライバーの再インストールを行い、快適な自動スクロール環境を取り戻しましょう。


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