Digi XBee XR 920モジュールの通信距離と転送速度の関係について

通信プロトコル

Digi XBee XR 920モジュールは、遠距離通信が可能な無線モジュールですが、転送速度が上がると通信距離が短くなる傾向があるため、特定の転送速度での通信可能距離を理解することは重要です。この記事では、Digi XBee XR 920モジュールの「high data rate 110 kbps」時の通信距離について、転送速度と通信距離の関係を詳しく解説します。

Digi XBee XR 920の通信モードと転送速度

Digi XBee XR 920は、低データレート(Low Data Rate)と高データレート(High Data Rate)の2つのモードで動作します。低データレート時には、長距離の通信が可能ですが、データ転送速度は遅くなります。一方、高データレート時には、より速いデータ転送が可能ですが、通信距離は短くなります。

「High data rate: 110 kbps」のモードでは、通信速度が速くなりますが、その分、通信距離は低データレート時よりも短くなる可能性があります。一般的に、転送速度を上げると、使用する周波数帯域が広くなり、信号の減衰が大きくなります。

通信距離の目安と使用環境

Digi XBee XR 920モジュールの仕様書には、低データレートで最大8.5km、高データレートで1.5kmの通信距離が記載されています。これらの数値は、理想的な環境下での最大距離です。実際の通信距離は、使用環境や障害物、電波干渉などの要因によって異なるため、参考値として捉えるべきです。

高データレート(110 kbps)時の1.5kmは、理想的な条件での最大距離であり、環境によってはこれより短くなる可能性もあります。特に、都市部や障害物が多い場所では、通信距離が短くなることが考えられます。

RECEIVER SENSITIVITYとその影響

モジュールの受信感度(Receiver Sensitivity)は、通信距離に大きな影響を与えます。Digi XBee XR 920モジュールの受信感度は、低データレート時が−113 dBm、高データレート時が−108 dBmです。受信感度が低いほど、信号が弱くなり、通信距離が短くなります。

高データレート時の受信感度が−108 dBmということは、低データレート時の−113 dBmと比較して若干受信感度が低いため、通信距離が短くなることが予想されます。このため、実際に使用する際は、信号強度や環境条件に注意が必要です。

実際の使用環境での距離と速度のトレードオフ

実際にDigi XBee XR 920を使用する際、転送速度と通信距離のトレードオフを理解することが重要です。もし、より長距離での通信が必要であれば、低データレートモードを使用することをお勧めします。逆に、短距離でも高速なデータ転送が必要な場合は、高データレートモードを選択することで、効率的にデータを送信できます。

環境条件によっては、通信距離が大きく異なるため、使用するモジュールの設定を適切に調整することが大切です。また、モジュールの設置場所やアンテナの向きも、通信距離に影響を与える要因となります。

まとめ

Digi XBee XR 920モジュールは、高データレート時に110 kbpsの転送速度を提供しますが、その場合の通信距離は約1.5kmに制限されます。低データレートモードでは、最大8.5kmまで通信可能ですが、転送速度は遅くなります。実際の使用環境によっては、通信距離が変動するため、目的に応じてデータレートと距離のバランスを取ることが重要です。

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