CCNAおよび将来的なCCNPを目指す際、実機を使って学習することは非常に効果的です。しかし、どの機器構成が試験範囲を網羅できるのか、そして追加で必要な機器については疑問が生じることもあります。この記事では、Cisco 891FJルーター、Catalyst 2960Xおよび3560Xスイッチを使用した学習環境が、CCNAおよびCCNPの学習にどの程度対応できるかを詳しく解説します。
1. CCNAの学習に必要な基本的な機器
CCNAの学習において必要な基本的な機器として、ルーターとスイッチの基本操作を学ぶことが求められます。Cisco 891FJルーターとCatalyst 2960Xスイッチは、VLAN設定、基本的なルーティング(RIP、OSPFなど)、NAT、ACLなど、CCNAの試験範囲に必要な基本的な設定をカバーすることができます。
また、Catalyst 2960Xスイッチは、VLANの設定やSTP(Spanning Tree Protocol)など、スイッチングに必要な機能もサポートしており、CCNAの学習に必要なスイッチング技術をしっかり学ぶことができます。
2. CCNPの学習に必要な追加機器
CCNPでは、より複雑なルーティングとスイッチングの技術が求められます。OSPF、EIGRP、BGPなどの高度なルーティングプロトコルや、より大規模なネットワーク設計を学ぶためには、CCNAの機器に加えて、さらに複数のルーターやLayer 3スイッチが必要になることがあります。
例えば、Catalyst 3560XスイッチはLayer 3スイッチングをサポートしており、VLAN間ルーティングや、静的ルーティング、動的ルーティングの実験に最適です。複数のルーターを使ったOSPFのエリア設定やBGPの設定も必要となるため、さらに1台以上のルーター(例えば、Cisco 1941やCisco 2911)を追加することで、より実践的なCCNPの学習が可能になります。
3. 機器構成とCCNPの学習範囲のカバー
CCNPを学ぶためには、CCNAの基本的なスキルを超えて、複数のルーターを使用した高度なネットワーク設計が必要です。特に、OSPFやBGPなどのルーティングプロトコル、VLAN間ルーティング、セキュリティ設定、トラブルシューティングなどが含まれます。
このため、既存の構成(Cisco 891FJルーター ×2、Catalyst 2960X ×2、Catalyst 3560X ×2)に、例えば、より高性能なLayer 3スイッチや追加のルーターを加えることで、CCNPの学習範囲を完全にカバーすることができます。特にBGPや複雑なOSPFの設定を行うには、複数のルーターが必須となります。
4. 実機環境での学習方法とシミュレーションの併用
実機を使った学習は非常に効果的ですが、シミュレーションツール(例:GNS3、Packet Tracer)を併用することで、さらに効率よく学習を進めることができます。これらのツールを使うことで、実機環境では手に入らない設定を仮想環境で試すことができ、学習の幅が広がります。
例えば、Packet Tracerでは、シミュレーション環境を使って複数のルーターやスイッチを接続し、BGPの設定やOSPFの設定を試すことができます。このような環境を利用することで、実際の機器を使った学習の理解を深めることができます。
まとめ
Cisco 891FJルーターとCatalyst 2960Xおよび3560Xスイッチは、CCNAの学習には十分対応できる機器構成です。ただし、CCNPの学習においては、追加のルーターやLayer 3スイッチが必要になる場合があります。特に、BGPや複雑なOSPF設定を学ぶためには、複数のルーターが必須となるため、機器構成を少し拡張することで、より効果的な学習が可能になります。シミュレーションツールを活用することで、より効率的に学習を進めることができます。


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