文法解析において、First集合とFollow集合を求める方法は、構文解析における重要なステップです。この質問では、特に与えられた文法に基づいてFirst集合とFollow集合を計算する方法について解説します。解決策を段階的に説明し、具体的な計算手順を示します。
1. First集合の計算
First集合は、各非終端記号の最初に出現する終端記号を示す集合です。まず、与えられた文法に基づいて各非終端記号のFirst集合を求めます。
- First(S) = {x}:S → Aで、AのFirst集合は{x}。
- First(A) = {x}:A → xBC | xyBの最初の記号はxなので、First(A) = {x}。
- First(B) = {z}:B → zの最初の記号はzなので、First(B) = {z}。
- First(C) = {x}:C → x | Aで、xが最初に来るので、First(C) = {x}。
2. Follow集合の計算
Follow集合は、各非終端記号の後に出現する終端記号を示す集合です。Follow集合の計算は再帰的で、他のFollow集合に依存する場合があります。計算は以下の手順で行います。
- Follow(S) = {$}:Sは開始記号なので、Follow(S)には$を追加します。
- Follow(A) = {$} ∪ Follow(C):Aの右辺にCがあり、CのFollow集合もAのFollow集合に追加されます。
- Follow(B) = First(C) ∪ Follow(A) = {x} ∪ Follow(A):Bの右辺にCがあり、CのFirst集合とAのFollow集合がBのFollow集合に追加されます。
- Follow(C) = Follow(A):CはAの右辺にあり、AのFollow集合がCのFollow集合に追加されます。
3. Follow集合の循環的な計算方法
Follow集合の計算では、Follow(A)を求めるためにFollow(C)が必要であり、Follow(C)を求めるためにFollow(A)が必要になります。この循環的な依存関係を解決するために、Follow集合の計算を繰り返し行う必要があります。
まず初めに、Follow集合を仮定して計算を開始し、その後、計算結果を再度確認して必要に応じて修正します。このプロセスを繰り返すことで、最終的に正しいFollow集合が求められます。
4. 計算結果の確認と修正
Follow集合の計算は再帰的に行われるため、すべてのFollow集合を一度に求めることはできません。仮定したFollow集合をもとに計算し、結果を再確認して修正することが重要です。すべての集合が安定するまでこの作業を繰り返します。
5. まとめ
First集合とFollow集合の計算は、構文解析において非常に重要なステップです。与えられた文法に基づいて、再帰的に計算を行うことで、正しい集合を求めることができます。このようにして、文法解析を進めることができ、より効率的な解析が可能になります。

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