3Dモデリングツールとして人気の高いShapr3Dでは、複数のスケッチを使ってパーツごとの設計を進めることができます。しかし、作業が進む中で「別々のスケッチをひとつにまとめたい」「同一のスケッチ面で統合したい」と思うこともあるのではないでしょうか?この記事では、Shapr3Dで複数のスケッチを効率よく統合・管理する方法について、具体的な手順や実例を交えて解説していきます。
Shapr3Dにおける「スケッチ」の基本構造を理解しよう
Shapr3Dでは、スケッチはそれぞれの平面(フェイス)上に紐づく独立した要素として管理されています。つまり、違う面に描いたスケッチは、構造的には「別のスケッチ」として扱われ、1つのスケッチ内に自動で統合されることはありません。
同一面で複数の図形を描いた場合は、ひとつのスケッチ内に複数の形状が共存する形になり、これは統合済みの状態と言えます。一方、異なる面にあるスケッチは、そのままでは統合できないため工夫が必要です。
スケッチを統合する方法① 同一スケッチ面へのコピー&ペースト
もっとも手軽な方法は、統合したいスケッチの図形をコピーし、別のスケッチ面にペーストするという方法です。
手順:
- 統合したいスケッチを選択
- 「コピー」ツールを使ってコピー
- 別のスケッチ面を選択 → 新規スケッチを作成
- 「ペースト」で貼り付け
この方法では、すべての図形を1つのスケッチ面上に集約できるため、後の押し出し(Extrude)や切削(Cut)操作もまとめて行いやすくなります。
スケッチを統合する方法② スケッチ間でジオメトリを再利用する
Shapr3Dでは、別のスケッチの形状を参照線(Construction Geometry)として活用することもできます。
たとえば、スケッチAで描いた円を、スケッチBの中に「プロジェクション」として取り込めば、あたかも統合されているように見せることが可能です。
手順:
- 新しいスケッチを作成する平面を選択
- 「プロジェクト(Project)」ツールを使い、既存のスケッチの形状を選択
- 新しいスケッチにその輪郭線が複製される
これにより、構造上は別スケッチであっても、設計上は統合されたかのような操作が可能になります。
スケッチの整理に役立つその他のテクニック
スケッチを効率よく統合・管理するには、以下のような工夫もおすすめです。
- ネーミングを活用:スケッチごとに「ベース形状」「窓穴」「装飾」など名前を付けると管理がしやすくなります
- グループ化(Folder):複数のスケッチやボディをフォルダでまとめることで、統合作業がしやすくなります
- レイヤー管理(図面出力時):DXFやSVGで出力する際、スケッチを分けたまま出力することで、加工業者への指示も明確になります
注意点:完全な「統合」という機能は現時点で非対応
2024年時点のShapr3Dでは、「スケッチAとBを合体させて1つのスケッチにする」ような専用ボタンや自動機能は提供されていません。そのため、コピー&ペーストやプロジェクト機能などを使って、手動で対応する必要があります。
ただし、今後のアップデートで統合系の機能が追加される可能性もあるため、公式フォーラムやサポートの情報も定期的にチェックしておくと安心です。
まとめ:スケッチの統合にはコピー・プロジェクト・整理術を駆使しよう
Shapr3Dで別々のスケッチを統合するには、同一面へのコピー&ペーストやプロジェクト機能による参照線の活用が有効です。さらに、名前付けやフォルダ整理などでスケッチ管理を工夫することで、設計効率も大きく向上します。
現時点では完全な統合機能はありませんが、使い方を工夫することで、統合と同様の効果を得ることが可能です。ぜひ今回紹介した方法を活用して、スマートな設計を進めてみてください。
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