最近、Windows 11を使用している際に、ネットワーク接続でリンクローカルアドレス(169.254.xx.xx)が振られてしまう問題が発生することがあります。この現象は、IPアドレスが正しく割り振られないため、インターネットや他のネットワーク機器(プリンタやNAS)へのアクセスができなくなることがあります。この記事では、この問題を解決するための方法をいくつかの視点から紹介します。
1. リンクローカルアドレスとは?
リンクローカルアドレス(169.254.xx.xx)は、DHCPサーバが正常に動作しない場合、Windowsなどのデバイスが自動的に設定するプライベートIPアドレスです。通常、DHCPサーバからIPアドレスを受け取れなかった場合に、デバイスはこのリンクローカルアドレスを使用してネットワーク上の他のデバイスと通信しようとします。
しかし、リンクローカルアドレスを使用しても、ネットワーク外のインターネットや、他のネットワーク機器(NASやプリンタなど)にはアクセスできないため、実際のネットワーク接続に支障をきたします。
2. IPアドレスがリンクローカルアドレスに切り替わる原因
リンクローカルアドレスが割り振られる原因は主に以下の通りです。
- DHCPサーバが動作していない場合: DHCPサーバが無効になっていたり、設定が誤っていたりすると、デバイスはリンクローカルアドレスを自動的に設定します。
- ネットワーク接続の不安定性: 一時的に接続が失われることで、デバイスがIPアドレスを再取得する際に、リンクローカルアドレスが設定されることがあります。
- ルータやアクセスポイントの設定ミス: TP-Linkルータがアクセスポイントモードで動作している場合、DHCPサーバが無効になっており、IPアドレスの割り振りに問題が生じることがあります。
3. 解決方法:リンクローカルアドレスの問題を解決するための手順
リンクローカルアドレスが割り振られる問題を解決するためには、いくつかの対策を試みることができます。以下はその手順です。
3.1 DHCPサーバの設定確認
まず、ネットワークのDHCPサーバ設定を確認します。もしルータやアクセスポイントでDHCPサーバを無効にしている場合、IPアドレスを手動で割り当てる設定になっているか確認します。特に、DHCPリースの設定やアドレス範囲が正しいかを確認しましょう。
3.2 IPアドレスの競合を避ける
他のネットワーク機器とIPアドレスが競合していないか確認します。例えば、固定IPアドレスで設定しているデバイス(プリンタやNAS)とDHCPのアドレス範囲が重ならないように設定を調整します。DHCPのアドレス範囲を「151〜170」から変更して、固定IPアドレス範囲(192.168.50.XX)の上限を40までに限定するなどの調整が有効です。
3.3 ルータやアクセスポイントの再起動
DHCPサーバやルータに問題がある場合、ルータやアクセスポイントを再起動することで問題が解消されることがあります。また、ルータのファームウェアのアップデートがある場合は、最新バージョンに更新しておくとよいでしょう。
3.4 手動でIPアドレスを設定する
リンクローカルアドレスが振られている間、手動でIPアドレスを設定することも一時的な解決策となります。Windowsのネットワーク設定から、固定IPアドレスを指定して、ネットワーク接続を復旧させることができます。
4. NTTのルータやTP-Linkアクセスポイントの再確認
NTTのサービスマンが行ったルータのリセットで症状が改善しなかったとのことですが、再度TP-Linkアクセスポイントの設定を見直すことをお勧めします。アクセスポイントモードでDHCPが無効になっている場合でも、アクセスポイント自体が正しくネットワークに接続されているか、IPアドレス設定が適切に行われているかを確認します。
5. まとめ
Windows 11でのリンクローカルアドレスの問題は、主にDHCP設定やネットワーク機器の設定ミスが原因となっていることが多いです。上記の手順に従って、DHCPサーバの設定確認やIPアドレス範囲の調整を行うことで、問題が解決することがあります。また、ネットワーク機器の再起動や手動でのIP設定を行うことも一時的な解決策として有効です。
これらの対策を実施することで、安定したネットワーク接続を取り戻し、リンクローカルアドレスの問題を解決できるでしょう。
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