AWSにおけるネットワーキング設計を行う際、プライベートサブネットとisolatedサブネットの使い分けについて悩む方も多いでしょう。特に、どちらが必要で、どのような場面でそれぞれを活用するのが最適なのかを理解することは、AWS環境を安全で効率的に運用するために非常に重要です。この記事では、プライベートサブネットとisolatedサブネットの違いと、それぞれの使用場面について解説します。
プライベートサブネットとは?
AWSにおけるプライベートサブネットは、インターネットへの直接アクセスが制限されているサブネットです。インターネットからの接続がないため、外部からはアクセスできませんが、内部から外部へアクセスすることは可能です。通常、プライベートサブネット内のインスタンスはNATゲートウェイやNATインスタンスを使用して、インターネットアクセスを実現します。
プライベートサブネットは、データベースサーバーやバックエンドのアプリケーションサーバーなど、セキュリティが重要なサービスを配置するのに適しています。また、パブリックサブネットに配置されたリソースからアクセスされる場合にも、プライベートサブネットが活用されます。
isolatedサブネットの特徴
isolatedサブネットは、完全に外部ネットワークと切り離されたネットワーク環境を提供します。このサブネット内のインスタンスは、インターネットへのアクセスも他のVPCやネットワークとの通信も一切できません。isolatedサブネットは、セキュリティレベルが最も高いネットワーク分割を提供しますが、外部と一切の通信を行わないため、特定のユースケースにおいては非常に制限的であると言えます。
例えば、機密性の高いデータを保持するサーバーや、外部との通信が一切必要ないバックエンドのサービスなどに使用されます。
プライベートサブネットとisolatedサブネットの違い
プライベートサブネットとisolatedサブネットの大きな違いは、インターネットや外部と通信できるかどうかです。プライベートサブネットは、NATゲートウェイやNATインスタンスを通じてインターネットと通信できるため、内部から外部への通信が可能です。これに対して、isolatedサブネットは完全に孤立しているため、外部と一切通信ができません。
また、isolatedサブネットは、特にセキュリティが要求される用途に適しており、外部との接続が不要なシステムをホストする際に選ばれることが多いです。例えば、セキュアなデータストレージや内部システムなどです。
どのシナリオでプライベートサブネットが必要か
プライベートサブネットが必要とされるのは、内部から外部へのアクセスが必要な場合です。例えば、Webアプリケーションのバックエンドサーバーやデータベースサーバーは、外部からアクセスされることはありませんが、インターネットを通じてアップデートやパッチを取得する必要があります。
プライベートサブネットを使用することによって、インターネットからアクセスできないセキュアな環境を構築しつつ、外部のリソースと通信する必要がある場合に最適です。
isolatedサブネットが最適なシナリオ
isolatedサブネットは、完全に外部と通信する必要のないシステムに最適です。例えば、機密性の高いデータを保持するサーバーや、外部ネットワークと一切通信をしないインフラ環境などです。
もし、インターネット接続が一切不要で、外部と通信しない環境が必要な場合には、isolatedサブネットを選択することが推奨されます。このような環境では、完全に内部で運用することができ、セキュリティ面でも非常に優れた隔離が提供されます。
まとめ
プライベートサブネットとisolatedサブネットは、AWSのVPCネットワーキングにおいて異なるニーズに対応するための重要な選択肢です。プライベートサブネットは内部から外部へのアクセスが可能であり、主にデータベースやアプリケーションサーバーなどに適しています。一方、isolatedサブネットは完全に外部と切り離された環境を提供し、機密性の高いデータや外部との通信が不要なサービスに最適です。
どちらを選ぶべきかは、システムの要件やセキュリティのレベルによって決まります。状況に応じて最適なネットワーク設計を選択しましょう。
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