SIerに転職し、エンジニアとしてのスキルを評価されたものの、実際の業務ではPM(プロジェクトマネジメント)寄りの役割を担うことになった。このような状況に直面した際、今後のキャリア選択をどうすべきか迷う人も多いでしょう。
SIerのPM業務とエンジニアリングのギャップ
SIerの大手企業では、顧客との折衝や要件定義、プロジェクトの進行管理が主な業務となり、実際に手を動かす開発業務は下請けの企業が担当するケースが多くあります。
よくあるギャップの例
- 面接時には「テクニカルスキルを活かせる」と言われたが、実際にはPM業務ばかり。
- 自社での開発はほぼなく、要件定義やドキュメント作成がメイン。
- 手を動かす業務がないため、コーディングスキルや実装能力が低下する懸念がある。
エンジニアとしてのキャリアパスを考える
エンジニアとして技術を磨き続けたい場合、現在の職場にとどまるべきか、それとも転職すべきかを考える必要があります。
1. SIerにとどまりながらスキルを維持する方法
- 社内の技術系のプロジェクトや研究開発チームに異動希望を出す。
- 業務外での学習やOSS(オープンソースソフトウェア)活動に参加する。
- 副業として開発案件を請け負い、技術を磨く。
2. 技術を活かしたいなら転職も視野に
もしエンジニアとしてのスキルを優先するなら、転職も選択肢の一つです。候補となる業界や職種を紹介します。
エンジニア志向ならベンダー企業
ベンダー企業(開発元)は、自社製品やサービスの開発を行うため、技術を活かせる環境が整っています。
- 自社で開発を行い、新技術に触れる機会が多い。
- 継続的なスキルアップが求められるため、成長できる。
- 裁量を持って開発に関われる。
社内SE(内製開発)も有力な選択肢
近年は社内SEでも「内製化」を進める企業が増えており、エンジニアとしてのスキルを発揮できる職場もあります。
- 自社のシステム開発に携わるため、継続的な技術力が必要。
- 受託開発ではないため、自社のビジネスに最適なシステム構築が可能。
- 新技術の導入に積極的な企業も多い。
転職のタイミングは?
現職でのPM的な役割が続くようであれば、1〜2年を目安に転職を検討するのも一案です。短期間での転職はリスクがありますが、以下のような状況であれば転職のタイミングとして適しています。
- 希望する技術領域の仕事が回ってくる見込みがない。
- 自社の開発チームが技術的な業務をほぼ行っていない。
- 転職市場で自身のスキルが評価されるうちに新たなキャリアを模索したい。
まとめ
SIerでのPM業務が中心となり、エンジニアとしてのスキルを維持できない状況にある場合、以下の選択肢を考えると良いでしょう。
- 現在の職場で技術的な業務に関われる方法を模索する。
- ベンダー企業や内製化を進める企業への転職を検討する。
- 副業や自主開発を行い、技術力を維持する。
エンジニアとして手を動かし続けたいのであれば、ベンダー企業や内製化が進む企業への転職は有力な選択肢となります。今後のキャリアプランを見据え、自分に合った環境を見極めていきましょう。
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