電波を強化する無線ルーター選び：伝送力とアンテナ数の選び方

無線ルーターの選定において、電波の伝送力やカバレッジエリアは非常に重要です。特に、木造の室内で携帯電話だけを接続する場合、どの製品が最適かを理解することがポイントとなります。この記事では、電波が強く届く無線ルーターを選ぶための基準と、適切な規格やアンテナの選び方について詳しく解説します。

無線ルーターの伝送力と電波範囲

無線ルーターの伝送力（電波の強さ）は、基本的に使用されている規格（Wi-Fi 5やWi-Fi 6）や周波数帯域（2.4GHz、5GHz）によって異なります。Wi-Fiの伝送力は、ルーターの性能、環境（壁や障害物の有無）、接続機器によっても影響を受けます。

たとえば、2.4GHz帯は壁などの障害物を越えやすく、長距離に強い一方で、通信速度は5GHz帯に比べて低くなります。5GHz帯は通信速度が速いですが、距離が遠くなると電波が弱くなりがちです。

日本の電波法では、無線機器の出力に制限があります。これは過度な電波干渉を防ぐためであり、各無線機器の最大出力は定められています。このため、電波を強化したい場合でも、出力を増加させることはできません。

そのため、無線ルーターの伝送力を向上させるためには、適切なアンテナ配置や高性能なルーター選びが重要になります。屋内の無線環境を最適化するためには、ルーターの配置を工夫することも大切です。

無線ルーターのアンテナの本数や配置は、電波の到達範囲に大きく影響します。一般的に、アンテナの数が多ければ多いほど、電波の指向性やカバレッジエリアが広がります。

ただし、アンテナの数だけでなく、アンテナの種類や技術（MIMO：Multiple Input Multiple Output）も重要です。MIMO技術が搭載されたルーターは、複数の通信経路を使用して、電波の干渉を減らし、より安定した通信を提供します。

木造住宅では、壁や柱などが電波を遮るため、電波が届きにくくなることがあります。無線ルーターの選択においては、次のポイントに注意しましょう。

携帯電話のみを接続する場合、無線ルーターの選定は比較的簡単です。重要なのは、Wi-Fiの規格が携帯電話に対応しているか、また、必要以上に多くの機能を求めないことです。Wi-Fi 5（802.11ac）またはWi-Fi 6（802.11ax）のルーターであれば、十分に高速で安定した通信が可能です。

例えば、BUFFALOのWCR-1166DSのような製品は、2.4GHzと5GHz帯に対応しており、家庭内での基本的な使用には十分な性能を発揮します。もし、さらに広範囲に電波を届けたいのであれば、メッシュネットワークに対応した製品を選ぶと良いでしょう。

無線ルーターを選ぶ際は、アンテナ数やWi-Fi規格、使用する周波数帯などの要素を考慮することが大切です。木造住宅の場合、壁や障害物を越えやすい2.4GHz帯を中心に、通信速度や安定性を重視するためにWi-Fi 5またはWi-Fi 6対応の製品を選ぶと良いでしょう。

最適なルーター選びによって、携帯電話との接続もより快適に、広範囲で電波が届くようになります。必要に応じて、メッシュネットワークを活用して、家全体で快適なインターネット接続を実現しましょう。