ORACLE RAC環境でASM領域のsystem表領域のディレクトリを変更した後、コピー元のsystem表領域が削除できない、またはsystem表領域の名前が自動的に変更される問題が発生することがあります。この記事では、これらの問題に対する解決方法を解説します。
1. system表領域のディレクトリ変更後に発生する問題
ORACLE RAC構成では、ASM(Automatic Storage Management)を使用してデータベースのストレージを管理します。system表領域のディレクトリ変更後に、いくつかの問題が発生することがあります。主な問題は以下の通りです。
- コピー元のsystem表領域の削除ができない
- system表領域の名前が自動的に変更される
これらの問題が発生する原因として、ASMの管理機能やデータベースのメタデータの更新に関連する設定が影響している可能性があります。
2. コピー元のsystem表領域を削除する方法
system表領域のディレクトリを変更した後、コピー元のsystem表領域が削除できない場合があります。この問題を解決するには、次の手順を試してみてください。
- ASMディスクグループの再確認:ディスクグループ内のファイルを確認し、コピー元のsystem表領域がまだ参照されていないかを確認します。
- 不要なファイルの削除:コピー元のsystem表領域ファイルが完全に削除されない場合、手動で削除するか、ASMで適切なコマンド(例:ALTER DISKGROUP DROP)を使用して削除します。
- ディスクグループの再構成:ディスクグループの構成を再確認し、必要なファイルを削除後に再構成を行います。
3. system表領域の名前を元に戻す方法
system表領域の名前が自動的に変更された場合、元の名前に戻すためにはいくつかのアクションが必要です。
- ASMインスタンスの再起動:まず、ASMインスタンスを再起動し、データベースが正常に認識していることを確認します。
- DBCAを使用した修正:Oracle Database Configuration Assistant(DBCA)を使用して、system表領域の名前を元に戻す設定を行います。
- ALTER DATABASEコマンド:ALTER DATABASEコマンドを使用して、system表領域の名前を手動で変更することができます。例えば、以下のコマンドを使用します:
ALTER DATABASE RENAME FILE '<旧ファイル名>' TO '<新ファイル名>'
4. その他の考慮点と注意事項
system表領域の変更作業を行う際は、以下の点に注意が必要です。
- バックアップの取得:作業を行う前に必ずデータベースのバックアップを取得しておくことが重要です。
- ディスクグループの整合性:ディスクグループの構成が適切であることを確認し、問題が発生した場合は再構成を行います。
- 監査ログの確認:ASMの監査ログを確認し、エラーや警告メッセージがないかをチェックします。
5. まとめ
ORACLE RAC構成でASM領域のsystem表領域のディレクトリ変更後に発生する問題に対処するためには、適切な手順を踏んで問題を解決することが重要です。コピー元のsystem表領域が削除できない場合や、名前が変更される場合には、ASMの設定やコマンドを使用して対処できます。作業前には必ずバックアップを取り、作業後はディスクグループの整合性を確認することを忘れないようにしましょう。
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