AWS Elastic Kubernetes Service(EKS)のAuto Modeを使用してスケーリングされるワーカーノードは、クラウド環境で自動的にスケールアップやスケールダウンされるため、運用が効率的ですが、状況によっては一時的にノード数を0台にすることが求められることもあります。また、カスタムNodepoolを使用している場合、その取り扱いに関しても注意が必要です。この記事では、EKS Auto Modeでワーカーノードをスケールインする方法と、カスタムNodepoolを削除する際の注意点について解説します。
AWS EKS Auto Modeとは
AWS EKSのAuto Modeは、クラスターのスケーリングを自動化する機能です。EKSクラスターに設定されたAuto Scalingグループによって、必要に応じてワーカーノードが追加・削除され、アプリケーションの負荷に応じたリソースの最適化が行われます。
ただし、Auto Modeによるスケーリングは通常、負荷に応じてノードを増減させることを目的としており、手動でスケールイン(削減)する場合には異なるアプローチが必要です。
ワーカーノードのスケールイン方法
EKS Auto Modeでスケーリングされたワーカーノードを一時的にスケールインして0台にするには、いくつかの手順を踏む必要があります。以下はその基本的な手順です。
- EC2 Auto Scalingグループの設定変更:EKSクラスターのワーカーノードはEC2 Auto Scalingグループで管理されています。まず、Auto Scalingグループの最小サイズを0に設定することで、ノード数を削減します。
- ノードグループのスケールイン:EKSコンソールまたはAWS CLIを使用して、ノードグループのスケールインを手動で実行します。この手順により、指定した台数のノードが削除されます。
- ワーカーノードの終了:スケールイン後、必要に応じて個別のワーカーノードを手動で終了することもできます。
なお、スケールインを実施すると、クラスター内のリソースが一時的に減少するため、アプリケーションの運用に影響を及ぼさないよう事前に確認が必要です。
カスタムNodepoolを削除した場合の影響
カスタムNodepoolを削除する際、そのNodepoolに関連するワーカーノードも削除されます。Nodepoolは、特定のワーカーノードグループを管理するための設定であり、削除するとそのNodepool内のすべてのワーカーノードが停止または終了します。
カスタムNodepoolを削除する前に、以下の点を確認することが重要です。
- 依存するアプリケーションの確認:Nodepool内のノードを削除すると、そのノード上で稼働しているコンテナやサービスが停止するため、影響を受けるアプリケーションがないか確認してください。
- リソースの再配置:もし他のNodepoolにワーカーノードを再配置する必要がある場合は、その手順を事前に準備しておきましょう。
- バックアップの取得:重要なデータや設定が含まれている場合、Nodepool削除前にバックアップを取ることをお勧めします。
スケーリング時の注意点とベストプラクティス
ワーカーノードをスケールインする際の注意点として、以下の点が挙げられます。
- 負荷の管理:スケールインすると、残されたノードに対する負荷が増加します。適切な負荷分散とリソース管理を行うことで、サービスに影響を与えないようにしましょう。
- スケーリングポリシーの設定:Auto Scalingグループのポリシーや、EKSクラスターのリソース設定が適切に設定されているかを確認します。
- 運用監視:スケーリング後は、クラスターの監視を強化し、必要に応じて調整を行うことが重要です。
まとめ
AWS EKS Auto Modeを使用したワーカーノードのスケーリングや、カスタムNodepoolの削除には注意が必要です。特に、スケールインを行う際には事前の確認と適切な手順を踏むことが大切です。カスタムNodepoolを削除すると、そのNodepoolに属するノードも削除されるため、影響範囲を把握してから実施するようにしましょう。
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