Nomad SculptとZBrushはどちらも強力な3Dモデリングツールですが、それぞれの機能に違いがあります。特に、ZBrushの機能をNomad Sculptで再現できるかどうかについては、ユーザーにとって興味深いテーマです。この記事では、ZBrushの代表的な機能と、それに相当するNomad Sculptの機能を比較します。
1. ディメンション（ポリゴン削減機能）
ZBrushには、ポリゴン数を減らしながら形を保つ「ディメンション」機能があります。Nomad Sculptでは、ポリゴンの削減機能はありますが、ZBrushほど高度なコントロールはありません。ノマドスカルプは主にデザインに焦点を当てており、高度な3Dプリント準備にはZBrushが優れています。
2. Zリメッシャー（自動リトポロジー機能）
ZBrushには、ポリゴンメッシュを自動的に再配置してリトポロジーを行う「Zリメッシャー」があります。Nomad Sculptでは自動的なリトポロジー機能はありませんが、手動でポリゴンの調整や最適化が可能です。従って、ZBrushのような自動リトポロジーを求めるユーザーには不向きかもしれません。
3. マスキングによるグループ分割
ZBrushのマスキング機能は、メッシュを選択してグループ分けするために非常に便利です。Nomad Sculptでもマスキング機能はありますが、ZBrushほどの精度や複雑なグループ分けはできません。しかし、基本的なマスキング操作は問題なく行えるので、日常的なモデリングには十分対応できます。
4. 投影（通常＆履歴から投影）
ZBrushには、モデルに外部の画像やデータを投影する機能が備わっており、履歴からの投影も可能です。Nomad Sculptには類似の機能はありますが、ZBrushのように履歴を使った投影はサポートされていません。Nomadでは主にリアルタイムでのモデリングを重視しています。
5. ナノメッシュ
ナノメッシュは、ZBrushで細かなディテールを繰り返し適用する機能で、非常に強力です。Nomad Sculptにはナノメッシュに相当する機能はなく、主に手動でディテールを加えていくスタイルです。ディテールを加える場合、Nomad Sculptのブラシツールを駆使して作業することが求められます。
6. ダイナメッシュのMicro Poly（細かなディテールの追加）
ZBrushのダイナメッシュ機能では、ポリゴン数を変えずに微細なディテールを追加できますが、Nomad Sculptには同様の機能はありません。Nomadでは、形状を細かく調整しながらディテールを追加する方法を取りますが、ダイナメッシュのように連続的なディテールを自動的に適用する機能はありません。
7. UV展開
ZBrushは強力なUV展開ツールを提供しており、複雑なテクスチャ作成に対応しています。一方、Nomad Sculptには現時点ではUV展開機能は含まれていません。Nomadでは主に形状作成やスカルプティングに特化しており、UV展開の必要が少ない作業に向いています。
8. Sculptris Pro（ポリゴン数を無視したブラシ機能）
ZBrushのSculptris Proは、ポリゴン数を無視して、描画に必要なポリゴンを自動で追加する機能です。Nomad Sculptでは、この機能に類似するものはありませんが、ポリゴン数を気にせずスカルプティングできるブラシが用意されています。ただし、ZBrushのSculptris Proのような自動ポリゴン生成の機能は搭載されていません。
まとめ
Nomad SculptはZBrushほど多機能ではありませんが、モバイルデバイスで手軽に使える3Dスカルプティングツールとしては非常に強力です。ZBrushが提供するような高度な機能や自動化されたプロセスを求めるユーザーには向いていないかもしれませんが、シンプルで直感的なインターフェースと、モバイル環境での作業が可能な点は大きな魅力です。
コメント