「Lumma Stealer」は、パスワード、クレジットカード情報、暗号資産ウォレットなどを盗む情報窃取型マルウェアです。この記事では、このマルウェアの特徴、感染経路、感染を防ぐ方法、感染した場合の対処法について解説します。
「Lumma Stealer」とは?
「Lumma Stealer」は、2022年からフォーラムで販売されていたマルウェアで、主にパスワードやクレジットカード情報、暗号資産ウォレットを盗むことを目的としています。このマルウェアは、標的型フィッシングや悪意ある広告を通じて感染し、ユーザーの個人情報を盗むといった攻撃を行います。
2025年3月には、39万台以上のPCが感染したことが確認され、特に教育機関や重要インフラをターゲットにした攻撃が報告されています。
「Lumma Stealer」に感染する経路
「Lumma Stealer」は、通常、フィッシング攻撃やマルバタイジング(悪意のある広告)を通じて拡散されます。ユーザーが「私はロボットではありません」というキャプチャに答えることがきっかけとなり、マルウェアがPCにインストールされることがあります。
また、悪意のあるリンクや添付ファイルを含むメール、Webサイトの広告なども感染経路となりえます。信頼できるソースからのリンクやファイルのみを開くように心掛けましょう。
感染を確認する方法
「Lumma Stealer」に感染した場合、以下のような症状が現れることがあります。
- PCのパフォーマンスが著しく低下する
- 不審なネットワーク通信やファイルが発生する
- 不明なプログラムやアプリケーションがインストールされる
これらの症状が見られる場合、すぐにマルウェア対策ソフトでスキャンを実施してください。
感染後の対処法
感染した場合、まず以下の手順を実行してください。
- アンチウイルスソフトのフルスキャンを実行:最新の定義ファイルでスキャンを行い、マルウェアを検出して削除します。
- 悪意のあるプログラムを手動で削除:タスクマネージャーを開き、不審なプロセスを停止し、関連するファイルを手動で削除します。
- パスワード変更:感染が確認された場合は、すぐに重要なアカウント(銀行、SNS、メールなど)のパスワードを変更します。
- アンチマルウェアツールの利用:専用のアンチマルウェアツール(例:Malwarebytes、HitmanProなど)を使用して、残存するマルウェアを完全に削除します。
- Windowsのシステムリストア:感染がひどい場合、システムリストアを使用して感染前の状態に戻すことも一つの方法です。
予防策と今後の対策
今後「Lumma Stealer」に感染しないようにするためには、以下の対策を講じることが重要です。
- 最新のセキュリティパッチの適用:Windowsやインストールされているソフトウェアは常に最新の状態に保ちましょう。
- 信頼できるセキュリティソフトの導入:信頼できるアンチウイルスソフトを使用し、リアルタイム保護機能を有効にしておきましょう。
- メールやリンクの慎重な確認:フィッシング攻撃に注意し、不審なメールやリンクを開かないようにします。
- 多要素認証の導入:重要なオンラインアカウントには、多要素認証(2FA)を設定して、セキュリティを強化しましょう。
まとめ
「Lumma Stealer」は高度な情報窃取型マルウェアであり、感染すると重要な個人情報が盗まれる可能性があります。感染を確認した場合は、早急に対処し、再発を防ぐための予防策を講じることが重要です。最新のアンチウイルスソフトの導入と慎重なオンライン活動が、今後の感染リスクを低減させる最良の方法です。
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