Javaでは、プリミティブ型と呼ばれる基本的なデータ型（intやdoubleなど）がありますが、時にはこれらのデータ型をオブジェクトとして扱いたいことがあります。ここで登場するのが「ラッパークラス」です。本記事では、Javaのラッパークラスについて、初心者にもわかりやすく解説します。
ラッパークラスとは？
ラッパークラスは、Javaのプリミティブ型（int, boolean, char など）をオブジェクトとして扱えるようにするクラスです。Javaのプリミティブ型は、オブジェクト指向の概念とは異なり、メソッドやフィールドを持たないため、オブジェクトとして使うことができません。しかし、ラッパークラスを使うことで、これらの型をオブジェクトのように扱えるようになります。
例えば、int型の数値は、Integerクラスのインスタンスとして扱うことができます。これにより、オブジェクトに必要な操作を行うことができます。
ラッパークラスの代表的な種類
Javaには、プリミティブ型に対応するラッパークラスがいくつかあります。代表的なものは以下の通りです。
| プリミティブ型 | 対応するラッパークラス |
|---|---|
| int | Integer |
| boolean | Boolean |
| char | Character |
| double | Double |
| float | Float |
| long | Long |
| short | Short |
| byte | Byte |
これらのラッパークラスを使うことで、プリミティブ型をオブジェクトとして扱い、メソッドやフィールドを利用することができます。
ラッパークラスの使用例
ラッパークラスは、特にコレクションフレームワークや、オートボクシング・アンボクシングといった機能で役立ちます。
例えば、ArrayListなどのコレクションクラスはオブジェクトしか扱えないため、プリミティブ型の代わりにラッパークラスを使用します。次のコードを見てみましょう。
ArrayList<Integer> list = new ArrayList<>();
list.add(10); // intの代わりにIntegerを使っているここでは、int型の代わりにIntegerクラスを使用しています。ArrayListはオブジェクトを扱うため、プリミティブ型の代わりにラッパークラスを利用しています。
オートボクシングとアンボクシング
Javaでは、プリミティブ型の値とラッパークラスのオブジェクトを自動的に相互変換する「オートボクシング」と「アンボクシング」という機能があります。
オートボクシングは、プリミティブ型の値がラッパークラスのオブジェクトに自動的に変換されることを意味し、逆にアンボクシングはラッパークラスのオブジェクトがプリミティブ型の値に変換されることです。例えば。
Integer obj = 10; // intがIntegerに変換される（オートボクシング）
int num = obj; // Integerがintに変換される（アンボクシング）これにより、コードがより簡潔になり、手動で型変換を行う必要がなくなります。
まとめ
Javaのラッパークラスは、プリミティブ型をオブジェクトとして扱うためのクラスです。これにより、Javaのオブジェクト指向の特性を活かして、プリミティブ型のデータをより柔軟に扱うことができます。オートボクシングやアンボクシングによって、さらに便利に使えるので、実際の開発でよく活用されています。
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