Wiresharkはネットワークのパケットキャプチャツールとして広く使用されていますが、パケットのサイズに関する制限やキャプチャできない場合があります。この記事では、Wiresharkでキャプチャできるパケットサイズの制限について解説し、1514バイト以上のパケットがキャプチャできない原因とその対策を説明します。
Wiresharkでキャプチャできるパケットサイズの基本
Wiresharkでキャプチャする際、通常はイーサネットフレームの最大サイズが制限となります。イーサネットの標準フレームサイズは1514バイトです。このサイズには、ヘッダ情報やデータ部分が含まれ、通常のパケットキャプチャでは1514バイトまでが最大となります。
ただし、1514バイトを超えるパケットをキャプチャしようとした場合、Wiresharkはパケットの一部しか表示できない、またはキャプチャ自体ができないことがあります。この制限は、使用するインターフェースや設定によって変わることがあります。
1514バイトを超えるパケットがキャプチャできない理由
Wiresharkで1514バイトを超えるパケットがキャプチャできない主な理由は、ネットワークインターフェースカード(NIC)やWiresharkの設定に関する制限です。イーサネットのフレームサイズは1514バイトまでが標準であり、それ以上のサイズのパケットは「ジャイアントフレーム」と呼ばれ、標準的なイーサネット機器では扱えません。
また、パケットキャプチャの際に、NICがパケットのスナップショットサイズを制限している場合もあります。この設定が原因で、1514バイトを超えるパケットが切り捨てられることがあります。
Wiresharkでの設定変更方法
Wiresharkでは、キャプチャの設定を変更することで、1514バイト以上のパケットをキャプチャすることが可能です。具体的には、Wiresharkの設定で「スナップショット長」の設定を変更します。デフォルトでは、スナップショット長が1514バイトに設定されていますが、これを増やすことで、より大きなパケットをキャプチャできるようになります。
スナップショット長を変更するには、Wiresharkのキャプチャ設定画面で「Capture Options」にアクセスし、「Snaplen」を変更します。例えば、最大で65535バイトまで設定できます。これにより、大きなパケットをキャプチャすることができるようになります。
パケットの分割と再構成
Wiresharkでは、パケットが分割されて送信される場合にも対応しています。これは、MTU(最大転送ユニット)を超えるパケットが分割されることに起因します。この場合、Wiresharkは分割されたパケットをキャプチャし、再構成して表示することができます。
もしパケットが分割されている場合は、Wiresharkの設定で「Reassemble fragmented IP datagrams」を有効にすることで、分割されたパケットを再構成して表示できるようになります。この設定を有効にすると、分割されたパケットをまとめて確認できるため、より大きなパケットの内容を正確に把握できます。
まとめ:Wiresharkでのパケットキャプチャの設定を最適化する方法
Wiresharkで1514バイト以上のパケットをキャプチャするためには、スナップショット長を適切に設定することが重要です。また、分割されたパケットの再構成機能を有効にすることで、より大きなパケットを正確にキャプチャできるようになります。
Wiresharkは非常に強力なツールであり、設定を変更することで、キャプチャするパケットのサイズを制限なしに取得できるようになります。ネットワークトラブルシューティングや解析を行う際には、これらの設定を理解し、適切に活用することが大切です。
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