AWSにおけるIAM(Identity and Access Management)ポリシーの設定で、LambdaなどのAWSリソースに対してアクセス権限を付与する際にロールを経由する必要がある理由について理解することは、AWSのアクセス管理の基本です。この記事では、なぜIAMポリシーを直接リソースに付与するのではなく、ロールを使用する必要があるのかについて解説します。
IAMポリシーとロールの基本概念
AWSでは、リソースへのアクセス権限はIAMポリシーを使用して設定しますが、ポリシーを適用する対象は、ユーザーやロール、グループに対して行うのが一般的です。特に、LambdaなどのAWSリソースに対してアクセス権限を設定する際には、ロールを経由するのが基本的な方法です。
**IAMポリシー**は、特定のアクションを実行できるリソースや条件を定義するルールの集まりです。一方、**IAMロール**は、特定のアクションを実行するための権限をリソースやサービスに割り当てるための仮想的なエンティティです。
なぜロールを経由する必要があるのか?
直接IAMポリシーをAWSリソースに付与することはできません。その理由として、以下のようなポイントがあります。
- **セキュリティの強化**:IAMロールを使用することで、アクセス権限が明確に分離され、リソースへのアクセスが適切に制御されます。ポリシーを直接リソースに付与すると、アクセス管理が煩雑になり、セキュリティ上のリスクが高くなる可能性があります。
- **一元管理**:IAMロールを使うことで、複数のリソース間で同じロールを再利用でき、管理が簡素化されます。例えば、Lambda関数やEC2インスタンスなど、複数のサービスに同じポリシーを適用したい場合に、ロールを使用することで効率的に設定できます。
- **アクターとリソースの分離**:IAMポリシーは実行するアクター(ユーザーやサービス)に付与されるべきです。リソース(例:LambdaやEC2インスタンス)自体にはアクセス権限を付与せず、リソースがアクセスするために必要なロールを作成し、そのロールに権限を付与することが推奨されます。
IAMロールを使用したアクセス管理の例
例えば、Lambda関数がS3バケットにアクセスする必要がある場合、直接Lambda関数にS3バケットへのアクセス権限を付与することはありません。その代わりに、Lambda関数に適切なIAMロールを割り当て、このロールにS3バケットへのアクセス権限を付与します。
このように、ロールを使用することで、アクセス権限が必要なリソースやサービス間でのアクセスを柔軟かつ安全に管理できます。
なぜIAMポリシーは実行側にしか付与できないのか?
IAMポリシーは、アクター(ユーザーやサービス)に適用されるべきものであり、リソースに直接付与されるものではありません。これにより、ポリシーがどのように適用されるかを明確に制御でき、セキュリティが強化されます。
もしポリシーがリソースに直接付与された場合、リソース自体がどのアクターに対してどのようにアクセスを許可するかが不明確になり、アクセス管理が複雑になってしまいます。
まとめ
AWSでIAMポリシーをLambdaなどのリソースに適用するためには、ロールを経由する必要があります。これは、セキュリティの強化、アクセス管理の簡素化、アクターとリソースの分離といった理由からです。ロールを使用することで、アクセス権限を適切に管理し、システム全体のセキュリティを向上させることができます。
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