SQL Server レプリケーション: AlwaysOn構成のフェールオーバー後もサブスクライバーに配信を維持する方法

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SQL Serverのレプリケーションを利用している場合、AlwaysOn構成でパブリッシャーのプライマリデータベースがレプリカにフェールオーバーした後でも、サブスクライバーにデータ配信を維持したいというシナリオが考えられます。このような場合、どのように設定を行うべきかについて、具体的な対策と設定方法を解説します。

1. AlwaysOn構成とレプリケーションの関係

SQL ServerのAlwaysOnは、高可用性を提供するために複数のインスタンスを利用する構成です。これにより、パブリッシャーがプライマリとレプリカを持つことができ、フェールオーバーが発生した場合にも継続的なサービスを提供することが可能になります。レプリケーションをAlwaysOn構成に組み込むことで、可用性が向上します。

しかし、フェールオーバー後にサブスクライバーへの配信が適切に行われるかどうかを確認することは重要です。フェールオーバー後に発生する問題を回避するために、ディストリビューションサーバーやサブスクライバーの設定を適切に調整する必要があります。

2. フェールオーバー後のレプリケーション設定

AlwaysOn構成のパブリッシャーで、プライマリがレプリカにフェールオーバーすると、通常、レプリケーションの設定はそのまま引き継がれることが期待されます。しかし、これには注意が必要です。パブリッシャーの設定で使用しているサーバーの情報(IPアドレスやホスト名)をAlwaysOnのリスナーに変更する必要があります。

まず、レプリケーションの設定を確認し、パブリッシャーのIPアドレスやホスト名が変更された場合、サブスクライバー側の設定も更新する必要があります。具体的には、サブスクライバーで「パブリッシャーのリスナー名」を使用する設定にすることで、フェールオーバー後も問題なくデータ配信が続くようにします。

3. ディストリビューションサーバーの設定

レプリケーションを維持するためには、ディストリビューションサーバーも重要な役割を果たします。ディストリビューションサーバーがプライマリとレプリカの両方に対応できるように設定することが必要です。

特に、ディストリビューションサーバーをプライマリと同じ設定にしておくと、レプリカ側でのフェールオーバー時にも引き続き正常に動作します。ディストリビューションサーバーの設定を変更する際は、AlwaysOnのリスナーを利用してパブリッシャーのIPアドレスを動的に切り替えられるようにしておくと、シームレスな運用が可能になります。

4. ローカルパブリケーションとフェールオーバーの影響

ローカルパブリケーションの設定を行うと、フェールオーバー時にレプリケーションが正常に機能しなくなることがあります。特に、プライマリにローカルパブリケーションが設定されていると、レプリカにフェールオーバーした際に、設定が引き継がれない問題が発生することがあります。

この問題を回避するためには、ローカルパブリケーションの設定を適切に行い、両方のサーバーに対して設定を反映させる必要があります。フェールオーバー後もサブスクライバーにデータ配信ができるように、設定が適切に同期していることを確認しましょう。

5. フェールオーバー後のテストと検証

フェールオーバー設定後、すべての設定が正しく機能しているかを確認するために、必ずテストと検証を行いましょう。パブリッシャーのプライマリからレプリカにフェールオーバーし、その後サブスクライバーへのデータ配信が正常に行われているかを確認します。

テストの際には、ディストリビューションサーバー、サブスクライバー、パブリッシャーの全ての設定を確認し、データの同期が途切れず行われることを確認してください。問題が発生した場合は、設定を再確認し、必要に応じて再設定を行いましょう。

まとめ

SQL ServerのAlwaysOn構成におけるレプリケーションの設定では、フェールオーバー時にパブリッシャーのIPアドレスやディストリビューションサーバー、サブスクライバーの設定を適切に調整することが重要です。特に、AlwaysOnのリスナーを使用して動的にIPアドレスを管理することで、フェールオーバー後もスムーズにレプリケーションが維持できます。また、ローカルパブリケーションの設定を適切に行い、フェールオーバー後にすべての設定が正常に反映されているかをテストすることが推奨されます。

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