Excelで複数の出納簿を統合・集計し収入支出ごとに自動貼り付けする方法

Excel

現金出納簿や預金出納簿など、複数の帳簿を管理していると、それらを統合して一元的に集計したい場面が多くあります。しかし単純にコピー&ペーストを繰り返すと、手間がかかりミスの原因にもなります。この記事では、統括出納簿を作成し、収入や支出の集計表に効率的にデータを転記する方法を解説します。

統括出納簿の基本構造

まず、統括出納簿は現金出納簿と預金出納簿をまとめて、日付順に並べ替えたものです。列の構造としては次のように設定しておくと便利です。

  • B列:伝票NO
  • C列:科目番号
  • D列:科目
  • E列:時間・期間
  • F列:月日
  • G列:摘要
  • H列:受入金額
  • I列:支払金額
  • J列:差引残高

差引残高は =H7 を初期値として、以降は =IF(F8="","",J7+H8-I8) のように設定すれば自動的に残高が計算されます。

統括出納簿から収入・支出タブへのデータ転記

統括出納簿から収入タブと支出タブにデータを貼り付ける場合、残高列は不要なため、受入金額(H列)や支払金額(I列)までを対象にコピーします。

特に、テーブルとして名前を付けて管理している場合は効率的です。たとえば、収入タブに _1〜_7、支出タブに _11〜_46 のテーブル名を設定しているなら、それぞれ同じ名前の範囲に値を貼り付けていく仕組みにすると整合性が取れます。

値のみ貼り付けで整合性を保つ方法

Excelでは、数式や書式を含めて貼り付けてしまうと、思わぬ不具合を引き起こすことがあります。そのため「値のみ貼り付け」を活用しましょう。手作業の場合は右クリックメニューの「形式を選択して貼り付け」から「値」を選びます。

マクロを利用するなら以下のようなコードが有効です。

Sub 統括データ貼付け()
    Sheets("統括出納簿").Range("B7:I1000").Copy
    Sheets("収入").Range("B7").PasteSpecial Paste:=xlPasteValues
    Sheets("支出").Range("B7").PasteSpecial Paste:=xlPasteValues
End Sub

このコードを応用し、テーブル名を指定して貼り付ければ、自動化が一層スムーズになります。

日付順のソートで見やすく整理

収入・支出タブにデータを移した後は、必ず「日付順にソート」することをおすすめします。日次の流れを見やすくし、チェック作業が容易になります。Excelのテーブル機能を使えば列名を基準にソートできるので効率的です。

実例:収入・支出の自動集計

たとえば、毎月の家計簿を現金出納簿と預金出納簿に記録している場合、統括出納簿にまとめてから「給与(収入)」や「光熱費(支出)」ごとにタブへ転記すれば、すぐにカテゴリー別集計が可能です。これにより、単なる帳簿入力から一歩進んで「分析」に活かせる仕組みが整います。

まとめ

統括出納簿を作成し、収入・支出タブへ値のみ貼り付けすることで、効率的かつ安全に出納データを管理できます。さらにテーブル名を活用して整理すれば、ソートや集計が容易になり、会計管理の精度とスピードが大幅に向上します。今後はマクロや関数を組み合わせて、作業を自動化することも検討してみましょう。

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