3Dスキャンした実物の樹脂製品のSTLデータをソリッドワークスやCATIAで開くと、メッシュのままで使い物にならないという問題が発生することがあります。この記事では、そのSTLデータを使って測定や部品を拘束するために、どのように変換を行えばよいかについて詳しく解説します。
STLデータとは
STL(Stereolithography)フォーマットは、3Dスキャンや3Dモデリングソフトウェアでよく使用されるファイル形式です。しかし、STLファイルはメッシュデータとして保存されており、各面が三角形で表現されています。このため、直接ソリッドワークスやCATIAで開くと、メッシュがそのまま表示され、編集や測定が困難になります。
STLデータを扱いやすいソリッドやサーフェスに変換する必要があります。
方法1: ソリッドワークスでのSTLデータ変換
ソリッドワークスでSTLファイルを開くと、メッシュデータとして表示され、サーフェスやソリッドとして使用できません。この場合、STLデータを「インポート」して、メッシュを「修正」や「変換」する方法があります。
以下の手順でSTLファイルをソリッドに変換できます。
- ソリッドワークスでSTLファイルを開きます。
- 「ファイル」メニューから「インポート」を選び、STLファイルを選択します。
- 「メッシュボディを修正」オプションを選択し、STLデータを修正します。
- 「メッシュからソリッド」を選び、STLファイルをソリッドに変換します。
これで、STLデータがソリッドとして扱えるようになり、測定や部品の拘束が可能になります。
方法2: CATIAでのSTLデータ変換
CATIAでSTLデータを使う場合、直接インポートすることもできますが、同様にメッシュデータとして扱われます。この場合も、STLデータをソリッドやサーフェスに変換するためには、いくつかのステップが必要です。
CATIAでSTLファイルを変換する方法は次の通りです。
- CATIAを開き、「STLインポート」を選択します。
- 「メッシュ解析」機能を使い、STLファイルのメッシュを調整します。
- 「メッシュをサーフェスに変換」オプションを使用して、サーフェスとして再構築します。
- その後、サーフェスデータをソリッドに変換して編集可能にします。
この方法で、CATIAでもSTLデータを編集可能な形に変換することができます。
方法3: 他の変換ツールを使用する
もし、ソリッドワークスやCATIAでの変換がうまくいかない場合、他の3D変換ツールを使用する方法もあります。例えば、MeshLabやFreeCADなどの無料ソフトを使用して、STLデータを他の形式に変換し、それをCADソフトにインポートすることができます。
MeshLabでSTLデータを修正して、他のフォーマット(例えばSTEPやIGES)に変換する手順は以下の通りです。
- MeshLabでSTLファイルを開く。
- 「フィルタ」メニューから「メッシュ修正」を選択し、データを修正。
- 修正後、STEPやIGES形式でエクスポートして、ソリッドワークスやCATIAで開きます。
まとめ
STLデータは、3Dスキャンから得られる一般的な形式ですが、ソリッドワークスやCATIAで使うためには、メッシュをソリッドやサーフェスに変換する必要があります。変換方法としては、ソリッドワークスやCATIA内でのメッシュ修正機能を使用する方法や、外部ツールを使って変換する方法があります。これらの手順を実行すれば、STLデータを編集可能な形に変換し、測定や部品の拘束が可能になります。


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