データベースでのロックは、複数のユーザーが同時に同じデータを変更しないようにするために重要です。特にアプリケーションでの保存ボタンの操作において、他のユーザーによる変更を防ぐために、ロック機構を実装することが求められます。本記事では、DBロックの一種である楽観ロックの基本概念と、具体的な実装方法について解説します。
楽観ロックとは
楽観ロックとは、データベースのロック管理の一種で、他のユーザーによる変更がないことを前提に、データの整合性を保つ方法です。データが保存される前に、そのデータの「バージョン番号」をチェックし、他のユーザーがそのデータを変更していないことを確認します。もし、バージョン番号が変更されていた場合、保存処理を中止し、ユーザーに警告を表示することが一般的です。
この方法は、データを一度読み込んでその後更新するタイプのアプリケーションでよく使われます。例えば、ユーザーがフォームを編集して保存する際に、他のユーザーが同じデータを変更した場合に競合を回避するために使用されます。
質問に対する実装例
質問者が提供したコードは、保存ボタンを押した際に、テーブルの「バージョン番号」を確認し、変更されていない場合のみ保存するというものです。この方法は、典型的な楽観ロックのアプローチに該当します。
以下のコードのポイントは、「バージョン番号」が変更されていないかを確認する部分です。もし変更されていた場合、データの保存を中止します。
Sub test3()
Dim olApp As Outlook.Application
Dim olMail As Outlook.MailItem
Dim i As Long, j As Long
Dim strBody As String
On Error Resume Next
Set olApp = GetObject(, "Outlook.Application")
If olApp Is Nothing Then
Set olApp = New Outlook.Application
End If
On Error GoTo 0
With Worksheets("Sheet1")
For i = 2 To .Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
' バージョン番号のチェック
If .Cells(i, 8).Value <> .Cells(i, 9).Value Then
MsgBox "データが他のユーザーによって変更されています。再度確認してください。"
Exit Sub
End If
' 変更がなければ保存処理
' 実際の保存処理はここに記述
Next i
End With
Set olMail = Nothing
Set olApp = Nothing
End Sub
このコードでは、`Cells(i, 8).Value`が現在の「バージョン番号」であり、`Cells(i, 9).Value`が保存される前の「バージョン番号」を表しています。もしこの2つの値が異なる場合、他のユーザーが変更を加えたことがわかり、保存処理を中止します。
楽観ロックのメリットとデメリット
楽観ロックは、特に読み取り処理が多いアプリケーションで効率的です。データが同時に変更されることが少ないシナリオで有効ですが、競合が発生した場合、エラーメッセージを表示して再試行させる必要があります。
一方で、もしデータの変更が頻繁に行われる場合には、楽観ロックが適さないこともあります。こうした場合は、悲観的ロック(データを変更中に他のユーザーがアクセスできないようにする)を使うことが検討されます。
まとめ
楽観ロックは、DBのデータが変更されるリスクが低い場合に有効な手法です。特に、アプリケーションで保存処理を行う際に、バージョン番号を使用して競合を回避する方法は、楽観ロックの典型的な実装例となります。質問者が提供したコードは、このアプローチを実現する良い例です。楽観ロックを使用することで、効率よくデータの整合性を保つことができます。

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