UnityでAR開発を行う際に広く利用されるのがVuforia Engineです。しかし、UnityのバージョンとVuforiaの互換性が問題になることがよくあります。特にUnity 2022.3系とVuforia 10.15や11.3の対応状況を正しく理解しておくことは、エラー回避やスムーズな開発に欠かせません。
UnityとVuforiaの互換性について
VuforiaはUnityの特定のLTSバージョンと対応するよう設計されています。例えば、Unity 2022.3 LTSではVuforia 10.15が安定して動作することが確認されています。最新の11.x系も利用可能ですが、API変更や機能追加によりプロジェクト環境によっては不具合が生じる場合があります。
そのため、安定性を重視する場合は10.15を利用し、最新機能を試したい場合には11.3を選択するのが基本的な方針となります。
Vuforia 10.15のダウンロード方法
Vuforia EngineはUnityのパッケージマネージャー経由で導入することができます。具体的な手順は以下の通りです。
- Unity HubからUnity 2022.3.56f1を起動
- メニューから「Window」→「Package Manager」を選択
- 「+」ボタンをクリックし「Add package from git URL」を選択
- 公式VuforiaのURL [参照] を入力
この方法により、必要なバージョンのVuforiaを選択して導入できます。過去のバージョンも提供されているため、安定した開発環境を構築することが可能です。
最新のVuforia 11.3を使う場合の注意点
11.3をUnity 2022.3系で利用することは可能ですが、以下のようなエラーが発生するケースがあります。
- ARカメラの初期化が失敗する
- 旧APIが非推奨になりスクリプトエラーが出る
- シェーダー互換性による描画不具合
これらの問題を回避するためには、エラーログを確認し、Vuforia公式ドキュメントに沿って修正する必要があります。特に古いコードを流用している場合は、非推奨APIの置き換えを行うことが重要です。
実際のプロジェクトでの選び方
例えば、教育向けのARアプリ開発を行っているチームでは、安定性を優先してVuforia 10.15を採用しています。逆に、新しいAR機能を試したい研究プロジェクトでは11.3を導入し、発生するエラーを検証しながら開発を進めています。
このように、利用目的やプロジェクト規模によって適切なバージョンを選択することが大切です。
まとめ
Unity 2022.3.56f1でVuforiaを利用する場合、安定性を求めるなら10.15、最新機能を試すなら11.3という選択が推奨されます。10.15は公式サイトから直接導入可能であり、11.3を使う場合はAPIの非互換性に注意が必要です。プロジェクトの性質に合わせて最適なバージョンを選び、エラーを最小限に抑えながらAR開発を進めましょう。

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