映像制作でよく目にする「29.97fps」や「60i」などの表記には、映像のフレームレートや方式に関する重要な情報が含まれています。しかし、これらの略語の意味や違いを理解するのは少し難しいこともあります。この記事では、これらの用語の意味をわかりやすく解説し、具体的な違いについても説明します。
1. 「fps」「p」「i」「psf」の基本的な意味
映像のフレームレートや形式にはいくつかの種類があります。これらを理解するためには、まず「fps」「p」「i」「psf」の基本的な意味を押さえておくことが大切です。
・「fps(Frames Per Second)」: 1秒間に表示されるフレーム(静止画)の数。一般的な映画は24fps、テレビ放送は30fpsや60fpsなどで表示されます。
・「p(Progressive)」: 各フレームが全て表示される進行型の方式。1フレームごとに全画面が更新されるため、滑らかな映像が実現されます。
・「i(Interlaced)」: フレームが上下2つのフィールドに分けて表示される交互型の方式。映像の一部が奇数行、次に偶数行が表示されます。
・「psf(Progressive Segmented Frame)」: 進行型のフレームを交互に分割して表示する方式。インターレース方式の特徴を持ちながら、進行型の解像度を保つことができます。
2. 「30p」と「29.97fps」の違い
「30p」と「29.97fps」は、数字がほぼ同じであるため混同しやすいですが、実は微妙な違いがあります。
・「30p」: 1秒間に30枚の画像を表示する進行型のフレームレート。実際には、滑らかな映像表現が可能です。
・「29.97fps」: 1秒間に29.97枚の画像を表示するフレームレート。主にNTSC放送用に使用されており、30fpsからわずかな差異を生じさせています。
この違いは、映像制作や放送において特に重要で、正しいフレームレートを選ぶことが必要です。
3. 「p」と「i」の違い:映像の表示方法
「p」と「i」は、映像の表示方法に関する違いを示します。両者は、同じフレームレートでも映像の品質や処理方法に影響を与えるため、選択する際には注意が必要です。
・「p(Progressive)」: 各フレームが1回で全画面表示されるため、動きが滑らかで高精度な描写が可能です。
・「i(Interlaced)」: フレームが2つの部分(フィールド)に分けられ、交互に表示されるため、動きが速いシーンではちらつきが生じることがありますが、古いテレビ放送で使用されていました。
4. 「psf」の用途と利点
「psf(Progressive Segmented Frame)」は、進行型のフレームを分割して交互に表示する方式です。主にインターレース方式での制作を進行型方式に近づけるために使用されます。
この方式は、進行型の解像度を保ちながらも、古いインターレース方式の互換性を維持するため、特定のテレビ放送や映像フォーマットで使用されます。
5. まとめ
映像制作における「fps」「p」「i」「psf」の違いを理解することは、フレームレートの選択において重要です。進行型の「p」は滑らかな映像を提供し、インターレースの「i」は古い放送方式に使用されます。また、「29.97fps」と「30p」の微妙な違いや、「psf」の特性を理解することで、映像制作の精度が向上します。
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