VLAN間ルーティングにおけるタグ書き換えと非カプセル化の違い

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VLAN間ルーティングを行う際、ルータがVLANタグを書き換える過程に関して、非カプセル化とタグ書き換えの違いについてよく混乱が生じることがあります。この記事では、VLANタグの書き換えがどのように行われるのか、そして非カプセル化が必要かどうかについて解説します。

1. VLANタグとは?

VLAN(Virtual Local Area Network)タグは、イーサネットフレームに追加される情報で、どのVLANに属するかを示します。VLANタグは、主にIEEE 802.1Q規格を使用してフレームに挿入され、ネットワーク内のトラフィックを識別・管理します。

VLANタグは、通常、ヘッダー情報としてEthernetフレームに追加され、フレームの先頭に配置されます。VLANタグがあることで、ネットワークデバイスはどのVLANに属するかを認識できるようになります。

2. 非カプセル化とタグ書き換えの違い

「非カプセル化」と「タグ書き換え」という用語は、VLAN間ルーティングにおいてしばしば混同されることがありますが、実際には異なる意味を持ちます。

非カプセル化とは、VLANタグを取り除いて、元のイーサネットフレーム(ペイロード)だけを取り出すことです。これは、フレームの中にあるVLANタグを削除し、通常のイーサネット通信に戻すプロセスです。一方、タグ書き換えは、VLANタグ自体を新しいものに置き換えることを指します。この場合、フレームのペイロードはそのままで、VLANタグのみが変更されます。

3. VLAN間ルーティングでのタグ書き換え

VLAN間ルーティングでは、ルータがVLANタグを書き換えることがあります。具体的には、ルータが受け取ったパケットのVLANタグを、新しいVLANタグに書き換えることが多いです。このプロセスは、タグの変更だけを行い、パケットの内容(ペイロード)は変更しません。

VLAN間ルーティングでタグを書き換える際に非カプセル化を行う必要はありません。タグ書き換えは、VLANの識別情報を変更するだけであり、データ部分に影響を与えることなく処理されます。

4. なぜ非カプセル化を行わないのか?

タグ書き換えを行う際に非カプセル化をしない理由は、VLANタグはあくまでフレームの一部であり、ペイロード自体には影響を与えないからです。ルータがVLANタグを変更する場合、ペイロードはそのまま残り、タグ部分のみが変更されます。このため、非カプセル化(VLANタグを完全に取り除く必要)は不要です。

つまり、タグ情報の変更だけで十分であり、フレームのデータ部分を取り出してから再カプセル化する必要はないというわけです。

まとめ

VLAN間ルーティングにおけるタグ書き換えは、VLANタグの変更を行うものであり、非カプセル化は必要ありません。ルータは、VLANタグを変更するだけでフレームの内容を保持し、元のデータ部分には影響を与えません。タグ書き換えと非カプセル化の違いを理解することが、ネットワークの運用を円滑に進めるために重要です。

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