C言語で書かれた計算式がなぜ「降順」で計算されるのか、またNの値を変えても結果がほとんど変わらない理由について解説します。この記事では、質問者が抱えている疑問を解決し、計算式の挙動とその背後にある原理を詳しく説明します。
プログラムの概要
まず、問題のプログラムを理解しましょう。以下のC言語コードは、階乗を使って計算を行っています。このコードでは、変数`ss`が最終的に計算された結果を格納し、`s1`が各階乗の逆数を計算するために使用されています。
#include
#define N 8
void main(){
int i,j;
double ss,s1;
ss=0.0;
for(i=N;i>0;i--){
s1=1.0;
for(j=i;j>0;j--)
s1*=j;
ss+=1.0/s1;
}
printf("単精度 昇順 s=%12.8f\n",ss);
}
このプログラムは、1/8! + 1/7! + … + 1/1! のような形で計算されることが予想されますが、どうしてそのような計算が行われるのか、次に詳しく見ていきます。
降順で計算が行われる理由
質問者が気にしている「降順」という点ですが、実際にはプログラムで使われているループの順番によって、計算が「降順」で進むことがわかります。具体的には、`i`が`N`から`1`へと減少することで、1/8!, 1/7!の順に加算されています。このため、計算の順番が「降順」になっているわけです。
この「降順」という用語は、`i`が減少する順番に基づくものです。プログラムの中で、`i`の値が`N`から1に向かって減っていくので、逆順で加算していることが明らかです。しかし、この「降順」が意味するところは、単に計算の順序に過ぎません。計算結果自体は「昇順」で加算されています。
Nの値を変えても結果がほとんど変わらない理由
次に、Nの値を変えても結果がほとんど変わらない理由について説明します。`1/n!` の値は、nが大きくなるほど急激に小さくなります。たとえば、1/8!の値は非常に小さいため、1/7!、1/6!などの項と比較してほとんど影響を与えません。
これは、階乗が増えることでその値が急速に小さくなり、プログラムの計算結果にほとんど寄与しないためです。つまり、`N`の値を大きくしても、最初の数項が主に結果に影響を与えるため、結果はほとんど変わらなくなります。この特性を利用することで、数値計算の精度を効率的に保つことができます。
プログラムの挙動と数値計算の工夫
プログラムの挙動を理解することは、数値計算において非常に重要です。この例では、`N`を変更しても結果がほとんど変わらない理由は、計算の対象となる階乗が大きくなるほど、その逆数が非常に小さくなるためです。そのため、最初の数項だけが重要で、後の項は計算結果にほとんど寄与しません。
数値計算においては、このような特性を理解し、必要な精度を保ちながら効率的に計算を行うことが求められます。プログラム内で使用する数値の精度や範囲に応じて、アルゴリズムを調整することが重要です。
まとめ
この記事では、C言語のプログラムにおける「降順」の計算順序と、`N`の値を変えても結果がほとんど変わらない理由について解説しました。プログラムのループ順序によって計算が「降順」で進むこと、また、階乗の逆数が非常に小さくなることで、`N`を大きくしても結果がほとんど変わらないことが明らかになりました。
このように、数値計算における効率性を理解し、必要な精度を保ちながら最適な結果を得るための工夫が求められます。プログラムを書く際は、このような数値計算の特性を意識することが非常に重要です。


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