Fortigate 100EとNEC IX2106を接続する際に、WANとDMZが同じIPアドレスを使用して動作している問題について疑問が生じることがあります。この記事では、Fortigateの設定におけるネットワークアドレスとvdomの関係、およびこのような設定がどのように機能するかを解説します。
Fortigate 100EとNEC IX2106の接続設定
質問にあるように、NEC IX2106のLANからFortigate 100EのWANに接続し、LAN側にプライベートIP、DMZポートにグローバルIPを割り当てている設定です。このような構成で、IXのWANがunnumberedとなっており、FortiのWANとDMZが同じネットワークアドレス(1.1.1.1/29)を共有しているのは、設定の一部としては珍しいものではありません。
通常、WANとDMZは異なるネットワークセグメントにあるべきですが、vdomを使用した仮想化により、同じネットワーク範囲で運用することができます。この場合、FortigateのWANとDMZは、異なる仮想ドメイン(vdom)で動作するため、同じIPアドレスを使用しても物理的には別々のインターフェースとして処理されます。
vdomによるネットワークの仮想化
Fortigate 100Eはvdom(仮想ドメイン)機能をサポートしており、これにより、同一の物理デバイス上で複数の仮想ネットワークを設定することが可能です。質問に記載されたように、WANとDMZが異なるvdom(vdomとVDMZ)で運用されている場合、同じIPアドレス(1.1.1.1/29)がWANとDMZに割り当てられていても問題なく動作します。
vdomを使用することで、物理的に異なるインターフェースでも同じIPアドレス空間を共有することができるため、仮想的に別々のネットワークセグメントとして運用することができます。この構成により、柔軟なネットワーク管理が可能となります。
同一ネットワークアドレス内での運用が可能な理由
同一ネットワークアドレス内でWANとDMZが動作する理由は、主にvdomによるネットワーク仮想化のためです。Fortigateでは、各vdomごとに独立した仮想的なインターフェースを作成することができ、これらのインターフェースは同じ物理的なネットワークインターフェース上で動作していても、異なる仮想ネットワークとして処理されます。
これにより、同じIPアドレス範囲を使用しても、WANとDMZが仮想的に分離され、トラフィックやアクセス制御を別々に管理することができます。
設定の検討事項とトラブルシューティング
もし同じIPアドレス範囲で動作している設定に疑問がある場合、以下の点を再確認することをお勧めします。
- vdom設定: vdomが正しく設定され、WANとDMZが異なるvdomで運用されていることを確認してください。
- インターフェース設定: WANとDMZが異なるインターフェースで動作していることを確認し、それぞれが正しく設定されているかチェックしてください。
- ルーティング設定: 同じネットワーク範囲内で複数のインターフェースがある場合、適切なルーティングが設定されているかを確認します。
まとめ
Fortigate 100EとNEC IX2106の設定において、WANとDMZが同じIPアドレス範囲で動作するのは、vdomを使用した仮想化の仕組みによるものです。これにより、異なるvdomで同一のネットワークアドレスを使用しても問題なく機能します。適切なvdom設定とインターフェース設定を確認することで、この構成は正常に動作し、柔軟なネットワーク管理が可能となります。

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