SQL Server 2012でリンクサーバーを経由してデータを取得する際、datetime型のカラムが自動的にsmalldatetime型に変換され、特定の日付範囲(2079/06/06を超える値)でエラーが発生することがあります。
本記事では、この問題の原因と対策を解説し、適切な解決策を提案します。
問題の概要
リンクサーバー経由で以下のようなクエリを実行すると、datetime型のデータがsmalldatetime型に変換され、特定の日付でエラーが発生する場合があります。
SELECT datetime_column FROM [リンクサーバー名].[データベース名].[スキーマ].[テーブル名]
エラーメッセージ。
DBTYPE_DBTIMESTAMP型をsmalldatetime型に変換できませんでした。
原因
この問題の主な原因は、SQL Serverのリンクサーバーのデフォルト設定にあります。リンクサーバーは、接続するデータソースのデータ型を適切に解釈する必要がありますが、デフォルトの設定では、datetime型がsmalldatetime型として扱われる場合があります。
この問題が発生する主な理由は以下のとおりです。
- リンクサーバーのデータ型のマッピング:SQL Serverは、リンクサーバー経由で取得するデータ型を適宜マッピングしますが、適切なデータ型変換が行われない場合があります。
- デフォルトのデータ型変換ルール:一部の環境では、datetime型のデータがsmalldatetime型として扱われ、範囲外のデータがエラーとなる可能性があります。
- ドライバの設定:使用しているOLE DBプロバイダやODBCドライバの設定によって、データ型の解釈が異なることがあります。
解決策
① OPENQUERYを使用する
リンクサーバーのクエリをOPENQUERY
を利用して直接実行すると、データ型の変換を防げる可能性があります。
SELECT * FROM OPENQUERY([リンクサーバー名], 'SELECT datetime_column FROM データベース名.スキーマ.テーブル名')
OPENQUERYを使用すると、リンクサーバー上で直接クエリが実行されるため、データ型の変換を回避できます。
② CONVERTを明示的に使用
取得する際に、明示的にdatetime型へ変換することで、型の変換ミスを防げます。
SELECT CONVERT(datetime, datetime_column) FROM [リンクサーバー名].[データベース名].[スキーマ].[テーブル名]
この方法を使うことで、SQL Server側で意図的にdatetime型としてデータを扱うように指定できます。
③ リンクサーバーの設定を変更
リンクサーバーのオプションを変更し、適切なデータ型を保持するように設定する方法もあります。
リンクサーバーの設定を確認し、適切なプロバイダオプションを設定することで、データ型の自動変換を抑制できます。
EXEC sp_serveroption @server='リンクサーバー名', @optname='rpc out', @optvalue='true'
また、使用しているプロバイダ(OLE DB、ODBC)の設定を確認し、データ型の適切なマッピングが行われるようにすることも重要です。
④ OLE DBプロバイダの変更
現在使用しているリンクサーバーの接続方式(OLE DB、ODBC)によっては、データ型の解釈が異なります。別のプロバイダに切り替えることで、適切な型変換が行われる可能性があります。
例えば、Microsoft OLE DB Driver for SQL Serverを使用している場合、古いプロバイダを使用すると型変換が適切に行われないケースがあるため、最新版のドライバを使用することを推奨します。
まとめ
SQL Server 2012のリンクサーバー経由でdatetime型がsmalldatetime型に変換されてしまう問題の主な原因と解決策をまとめると、以下のようになります。
- リンクサーバーのデフォルト設定により、データ型が適切にマッピングされていない可能性がある
- OPENQUERYを使用すると、リンクサーバー上で直接クエリを実行できるため、データ型の変換を回避できる
- CONVERT関数を利用して、明示的にdatetime型へ変換する
- リンクサーバーの設定を調整し、適切なデータ型の取り扱いを設定する
- OLE DBプロバイダを最新のものに更新し、適切な型変換が行われるようにする
これらの方法を試すことで、リンクサーバー経由でのdatetime型の取り扱いに関する問題を解決し、安定したデータ取得が可能になります。
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