既存のWiFiルーター環境に、もう1台ルーターを追加してアクセスポイント(AP)として運用し、離れた場所にある無線非対応プリンターをネットワークプリンター化したいという構成は、家庭・小規模オフィス環境では非常に現実的で実用的な構成です。本記事では、この構成が技術的に可能かどうかの仕組みから、実際のネットワーク構造、設定手順、安定運用のポイントまでを初心者にも分かりやすく解説します。
この構成は可能なのか?
結論から言うと、この構成は完全に可能です。
構造としては以下の仕組みになります。
メインルーター(親機) → WiFi接続 → サブルーター(APモード) → 有線LAN → プリンター
これは技術的には無線ブリッジ+有線変換構成に相当します。
無線LAN非対応機器をネットワーク化する代表的な方法の1つです。
ネットワーク構造の仕組み
この構成では、サブルーターは「ルーター」として動作するのではなく、「無線子機(ブリッジ)」として動作します。
役割分担。
- メインルーター:DHCP・ルーティング・IP管理
- サブルーター:無線中継+有線変換(AP/ブリッジ)
- プリンター:有線LAN機器としてネットワーク参加
これにより、プリンターはネットワーク上では通常のLANプリンターとして認識されます。
必要なルーター機能
サブルーター側には以下いずれかのモードが必要です。
- アクセスポイント(AP)モード
- ブリッジモード
- 中継器モード(WDS/リピーター)
- 無線クライアントモード
メーカー表記は異なりますが、「ルーティングをしないモード」であれば使用可能です。
基本構成イメージ
構造的なイメージ。
インターネット
↓
メインルーター(WiFi親機)
↓(無線LAN)
サブルーター(AP/ブリッジモード)
↓(有線LAN)
プリンター
設定手順の基本フロー
① サブルーターをAP/ブリッジモードに設定
管理画面で「アクセスポイントモード」「ブリッジモード」に変更します。
ポイント。
- DHCP機能:OFF
- NAT機能:OFF
- ルーティング機能:無効
② 無線LAN設定
メインルーターのSSIDに接続設定を行います。
または中継器モードで自動接続設定を行います。
③ 有線LAN接続
サブルーターのLANポートとプリンターをLANケーブルで接続します。
④ IPアドレス確認
プリンターがメインルーターからIPアドレスを取得していることを確認します。
⑤ PC側からプリンター登録
ネットワークプリンターとしてIP指定または自動検出で追加します。
よくある失敗例
- サブルーターをルーターモードのまま使用
- 二重ルーター構成(ダブルNAT)
- DHCP競合
- IPアドレス衝突
これらは通信不安定や検出不可の原因になります。
安定運用のためのポイント
実務的な安定構成のポイント。
- AP/ブリッジ専用モード使用
- 固定IP割当(プリンター)
- 同一セグメント管理
- メインルーターDHCP一元管理
ネットワーク分断を作らない設計が最重要です。
代替構成案
もしルーターが対応していない場合。
- 無線LANブリッジアダプタ
- 無線LAN子機(イーサネット変換タイプ)
- 専用プリントサーバー
といった機器でも同様の構成が可能です。
まとめ
WiFiルーターをアクセスポイント(AP)またはブリッジモードとして使用し、無線非対応プリンターを有線接続してネットワークプリンター化する構成は、技術的に完全に可能であり、実務的にも一般的な構成です。
構成の本質は「ルーター機能を使わず、無線ブリッジとして使う」ことにあります。サブルーターをAP/ブリッジモードに設定し、DHCPとルーティングを無効化することで、メインルーター配下の同一ネットワークとしてプリンターが認識されます。この構造を正しく理解すれば、安定したネットワークプリンター環境を構築することができます。ルーター設定の難易度よりも、ネットワーク構造理解が成功の鍵となります。


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