JavaScriptで非同期処理を扱う際、Promiseは非常に強力なツールです。しかし、Promiseの仕組みや動作タイミングを理解することは初心者にとって難しい部分もあります。特に、Promiseのexecutor関数がどのタイミングで実行されるのかに関する疑問を持っている方も多いです。本記事では、Promiseのexecutor関数の実行タイミングと、質問者の疑問点について解説します。
1. Promiseの基本的な仕組み
Promiseは非同期処理を管理するためのオブジェクトです。Promiseインスタンスを作成する際、実行したい非同期処理をコールバック関数(executor関数)として渡します。このexecutor関数は、Promiseインスタンスが生成された直後に実行されます。しかし、重要なのは、この関数が非同期的に処理されるわけではなく、同期的に実行されるという点です。
2. Executor関数の実行タイミング
質問者が書いたコードに関して、new Promise((resolve, reject) => {...})の中で定義されたexecutor関数は、Promiseインスタンスが生成されるとすぐに実行されます。つまり、Promiseを生成した瞬間に、同期的にその中のコードが実行されます。
これは、Promiseのexecutor関数が非同期処理を始めるのではなく、Promiseインスタンスが生成されると同時に、まず同期的にそのコードが動作し、その後非同期的に処理を続けるということです。このため、質問者が述べたように「先行処理が終わるまで後行処理が実行されない」という動作が起こります。
3. イベントループと非同期処理の関係
executor関数内で行う処理が非同期であったとしても、その関数自体は同期的に実行されます。例えば、質問者のコードにあるように、2秒間CPUがビジー状態になる処理(whileループ)を使うと、その処理は完了するまで次に進まないため、その後のthenブロック(後行処理)は待機状態になります。
JavaScriptの非同期処理(setTimeoutやPromiseのthen)はイベントループを使って実行されるため、executor関数の同期処理が完了するまで次の処理は行われません。非同期処理はあくまでイベントループ内で待機している処理の一部として扱われます。
4. 解決方法と改善案
質問者のコードでは、whileループによってCPUが無駄に占有され、後続の処理が遅延しています。このようなブロック処理を避けるために、setTimeoutやsetImmediateなどを使って、非同期処理を適切に分割し、イベントループをスムーズに動かすことが推奨されます。
例えば、以下のようにして非同期処理を行うことができます。
new Promise((resolve, reject) => { setTimeout(() => { resolve(); }, 2000); })
5. まとめ
Promiseのexecutor関数は、Promiseインスタンスが作成された際に同期的に実行されます。このため、長時間かかる同期処理をexecutor関数内で行うと、後続の処理が遅延してしまうことがあります。非同期処理の適切な扱い方を学ぶことで、より効率的なJavaScriptプログラムを作成できるようになります。


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