Wi-Fiルーターを選ぶ際に重要な要素の一つが、そのインターフェースや伝送速度です。特に、WANインターフェースと伝送速度の関係については、インターネットの速度や安定性に大きな影響を与えるため、理解しておくことが大切です。この記事では、WANインターフェースと伝送速度について詳しく解説し、どのようにルーターの性能を最大限に活かすかを考えます。
1. WANインターフェースとは?
WANインターフェースとは、「Wide Area Network」の略で、インターネットとの接続を担うポートのことです。ルーターには通常、インターネット接続用のWANポートと、家庭内での機器同士をつなぐためのLANポートがあります。WANポートを通じて、インターネットからのデータが家のネットワークに送られ、そこから各デバイスに分配される仕組みです。
つまり、WANインターフェースはインターネット接続の「入り口」と言えます。ここにどんな端子(例えば100BASE-TXや1000BASE-Tなど)が使われているかによって、インターネットとの通信速度が決まります。
2. 伝送速度(理論値)と実際の速度
ルーターには「最大伝送速度」として理論値が記載されています。例えば、「IEEE802.11ac : 最大867Mbps」と記載されている場合、この数値はWi-Fiの無線通信で理論上の最大速度を示しています。しかし、これはあくまで「理論値」であり、実際に利用できる速度は環境や機器によって異なります。
実際にインターネットで利用する速度は、ルーターやモデム、回線の混雑具合など様々な要因によって影響を受けます。そのため、最大速度が高くても、常にその速度が出るわけではないことを理解しておきましょう。
3. WANポートの速度が影響する場合とは?
WANインターフェースが100BASE-TX(100Mbps)に対応している場合、インターネットのダウンロード速度やアップロード速度が理論的には100Mbpsを超えることはありません。つまり、インターネット回線がそれ以上の速度で提供されていても、WANポートがボトルネックとなり、実際には100Mbps以上の速度を得ることはできません。
例えば、80Mbpsの速度が出ている場合、それはISP(インターネットサービスプロバイダ)の提供する速度や回線状況、ルーターの性能によるものです。もし、ルーターが100BASE-TXにしか対応していない場合、それ以上の速度を出すことは難しいことになります。
4. ルーターの性能を最大限に活かすためには?
ルーターを最適に使うためには、WANポートの速度だけでなく、Wi-Fi規格や使用する回線の種類(光回線、ADSL、モバイル回線など)も考慮する必要があります。もし、インターネット接続が100Mbps以上の速度を提供している場合、100BASE-TXのWANポートを使用していると、速度が制限されてしまいます。
その場合は、1000BASE-T(ギガビットイーサネット)に対応したルーターにアップグレードすることを検討すると良いでしょう。また、Wi-Fi規格も「IEEE802.11ac」や「802.11ax(Wi-Fi 6)」など、より高速で安定した通信をサポートするものを選ぶことが推奨されます。
5. まとめ
Wi-FiルーターのWANインターフェースと伝送速度について理解することは、インターネットの利用体験を向上させるために重要です。WANインターフェースの速度が制限要因となる場合もあるため、回線速度やルーターの性能を総合的に確認し、自分のインターネット環境に合ったルーター選びをしましょう。
もし、今のルーターの速度に不満がある場合は、より高速なWANポートに対応した機種を選ぶことで、インターネット利用がより快適になります。理論値だけでなく、実際の利用環境に応じて適切な選択をすることが大切です。
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