PCから異なるネットワークへの通信経路とARPの仕組みについて

ネットワーク技術

PCから異なるネットワークに通信を行う際、経路が複数のデバイスを通ることになります。その中でも、デフォルトゲートウェイを介して通信が行われるため、ARP(Address Resolution Protocol)がどの機器で動作するかは重要なポイントです。この記事では、PCから異なるネットワークに通信が行われる際の経路と、ARPテーブルがどの機器で管理されるのかについて詳しく解説します。

ネットワーク通信の基本的な流れ

まず、PC-Aが異なるネットワークに属するPC-Bに通信を送る場合の流れを理解することが重要です。通常、PC-AがPC-Bに通信を行う際、ネットワークが異なるため、通信はデフォルトゲートウェイに送られます。

通信は、PC-A -> L2スイッチ -> ルーター -> L2スイッチ -> PC-B という経路を通ります。この場合、PC-AがPC-Bと直接通信できるわけではなく、途中でルーターを介する必要があります。

ARPとは?

ARP(Address Resolution Protocol)は、IPアドレスからMACアドレスを解決するためのプロトコルです。PCやネットワーク機器は、通信相手のMACアドレスを知ることで、データリンク層で正しく通信を行います。

たとえば、PC-Aがデフォルトゲートウェイに通信を送る場合、PC-AはそのゲートウェイのMACアドレスを知る必要があります。このとき、ARPが使用され、MACアドレスを解決するプロセスが開始されます。

ARPテーブルはどの機器で管理されるか

質問のポイントは、どの機器がデフォルトゲートウェイのMACアドレスをARPで調査するかということです。一般的に、ARPは通信を開始する機器で行われます。

つまり、PC-Aがデフォルトゲートウェイに対して通信を行う場合、PC-AのARPテーブルにそのゲートウェイのMACアドレスが保存されます。PC-Aが最初にARPリクエストを送信し、デフォルトゲートウェイが応答することで、PC-AはそのMACアドレスを取得します。

ARPの動作の具体例

例えば、PC-AがIPアドレス192.168.1.10、デフォルトゲートウェイが192.168.1.1の場合、PC-Aがネットワーク外のPC-B(IPアドレス10.0.0.10)に通信を試みるとします。

1. PC-Aは、PC-Bが異なるネットワークに属していることを認識します。
2. そのため、PC-Aは192.168.1.1(デフォルトゲートウェイ)に向けてパケットを送ることになります。
3. PC-Aはまず自分のARPテーブルを確認し、192.168.1.1のMACアドレスが保存されていない場合、ARPリクエストを送信します。
4. ルーター(デフォルトゲートウェイ)はそのリクエストに応答し、PC-AはゲートウェイのMACアドレスを取得します。
5. その後、PC-AはそのMACアドレスを使用して通信を開始します。

スイッチやルーターのARPテーブル

L2スイッチやL3スイッチ(ルーター)は、通常、ARPテーブルを保持していますが、ARPリクエストを発信するのは、通信を開始した機器(この場合はPC-A)です。

ルーターは、パケットを受け取った後、宛先ネットワークが異なる場合に再送信します。この際、ルーターは宛先ネットワークのMACアドレスを知っている必要があり、ルーターのARPテーブルにも情報が格納されます。しかし、最初のARPリクエストを送るのはPC-Aです。

まとめ

異なるネットワーク間の通信におけるARPの動作は、通信を開始する機器(PC-A)が中心です。PC-Aは、デフォルトゲートウェイ(ルーター)のMACアドレスをARPで調査し、その後、正しいMACアドレスを使用して通信を行います。

ARPは、ネットワーク通信の基礎であり、これを理解することで、トラブルシューティングやネットワーク設計の際に重要な知識となります。

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