VBAを使用している際に、Workbook_Openイベント内でThisWorkbook.saveを記述しているが、実行した際に保存が行われないという問題があります。この問題は、通常の1行ずつ実行する際には問題なく動作するものの、マクロを流して実行するとThisWorkbook.saveが無視されてしまうことが多いです。この記事では、この問題を解決する方法を紹介します。
1. 問題の原因:イベント処理と保存のタイミング
VBAのWorkbook_Openイベントは、ワークブックを開いた際に自動的に呼び出されますが、このタイミングでThisWorkbook.saveを実行すると、他のイベントが優先されてしまうことがあります。特に、Workbook_Open内での処理が完了する前に保存を行おうとすると、保存処理が無視されることがあります。
2. 解決方法:Application.EnableEventsを使用
この問題を解決するには、Application.EnableEventsを使用して、イベントの処理を一時的に無効にし、保存処理を確実に実行させる方法があります。Workbook_Open内での処理が完了した後に保存を行うようにすることで、エラーを回避できます。
Private Sub Workbook_Open()
Application.EnableEvents = False
' 他の処理
ThisWorkbook.Save
Application.EnableEvents = True
End Sub
このコードでは、Application.EnableEvents = Falseによって、他のイベント処理が行われないようにし、その後にThisWorkbook.Saveを実行しています。保存後、再度Application.EnableEvents = Trueでイベント処理を有効に戻しています。
3. 代替案:保存のタイミングを調整する
もう一つの方法として、DoEventsを使用して、処理を一時的に停止させてから保存を行う方法があります。これにより、他の処理が一通り終わるまで待機してから保存が実行されるようになります。
Private Sub Workbook_Open()
' 他の処理
DoEvents ' 他の処理を完了させる
ThisWorkbook.Save
End Sub
DoEventsを使うことで、現在の処理を中断せずに保存を実行することができますが、Application.EnableEventsを使った方法と比べて少し非効率になる場合もあります。
4. 最後にチェックするべきポイント
上記の方法で問題が解決しない場合、以下の点も確認してみてください。
- VBAのバージョンに不具合がある場合があるため、
Excelの更新が必要かもしれません。 - 保存処理が実行されるタイミングを調整するために、
DoEventsやApplication.Waitを使ってみる。 - セキュリティ設定でマクロが無効化されている場合も考えられるので、マクロの設定を確認してください。
5. まとめ
VBAでWorkbook_Open内でThisWorkbook.saveが無視される問題は、イベント処理のタイミングが原因となることがあります。Application.EnableEventsを使用してイベント処理を制御する方法や、DoEventsを使って処理のタイミングを調整することで、問題を解決できます。これらの方法を試してみて、実行後に正しく保存が行われるか確認しましょう。


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