CI/CD用語の整理と理解 – パイプライン、ステージ、ジョブ、ランナー、エグゼキューター、Kubernetesとの連携

プログラミング

CI/CD(継続的インテグレーション / 継続的デリバリー)の用語について整理し、正しい理解を深めることは、効率的な開発プロセスを構築するために非常に重要です。この記事では、CI/CDの基本的な用語を解説し、実際の運用にどう活かせるかを説明します。

1. パイプライン、ステージ、ジョブの関係性

CI/CDの流れにおいて、パイプライン、ステージ、ジョブは重要な概念です。
・パイプラインは、ソフトウェア開発からデプロイまでの全体的な流れを指します。
・ステージは、そのパイプライン内で行う大きな区切りを指し、通常はビルド、テスト、デプロイといった作業が行われます。
・ジョブは、ステージ内で実行する細かな作業で、例えばnpm installやpytest、docker buildなどがあります。
「パイプライン > ステージ > ジョブ」の階層構造が基本です。

2. ランナーとエグゼキューターの違い

ランナーとエグゼキューターはCI/CDでの作業環境に関連した用語です。
・ランナーは、実際にジョブを実行するマシンやソフトウェアのことです。GitLab CIなどでは、ジョブを実行する役割を持つ「人」に相当します。
・エグゼキューターは、ランナーがどの環境で実行するかを定義します。
エグゼキューターには以下のタイプがあります:
– Shell(ホストOSでそのまま実行)
– Docker(コンテナ内で実行)
– Kubernetes(クラスタ上にPodを立てて実行)
「ランナーが人、エグゼキューターが作業場所」という理解がしやすいです。

3. 環境変数の使いどころ

環境変数は、APIキーやパスワードなどのセキュリティ情報をコードに直接記述せずに渡すための仕組みです。
GitLabなどでは、環境変数は「プロジェクトレベル」「グループレベル」「パイプラインごと」に設定でき、
セキュリティの観点から非常に重要です。また、環境変数を使用することで、コードの再利用性が向上し、開発環境と本番環境の設定を簡単に切り替えることができます。

4. キャッシュとアーティファクト

CI/CDにおいて、キャッシュとアーティファクトは、パイプラインの効率化に役立つ要素です。
・キャッシュは、依存ライブラリやビルド結果を再利用することで、次回以降のジョブ実行を高速化します。
・アーティファクトは、ビルド成果物を保存し、次のジョブや他のチームと共有するためのものです。例えば、.jar、.whl、.exeなどがアーティファクトとして扱われます。これにより、後段のジョブに必要なファイルを渡すことができます。

5. Kubernetesとのつながり

CI/CDのプロセスは、Kubernetesを活用することでさらに自動化され、効率化が進みます。
・GitLab CI/CDでは、アプリケーションをDockerイメージに変換し、そのイメージをKubernetesにデプロイできます。
・「Gitの変更 → 自動テスト → KubernetesでのPod更新」という流れで、本番環境までのデプロイが自動化できます。これにより、クラウド環境での運用が効率化され、定番となっています。

6. まとめ

CI/CDは、ソフトウェア開発を自動化し、効率化するための重要な仕組みです。パイプライン、ステージ、ジョブ、ランナー、エグゼキューター、環境変数、キャッシュ、アーティファクトなどを正しく理解することで、よりスムーズな開発フローを構築できます。さらに、Kubernetesなどのクラウド技術を活用することで、CI/CDのプロセスが強化され、運用がさらに効率化されます。

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