ネットワークにおけるPoE(Power over Ethernet)対応スイッチと、PoE機能のない通常のスイッチングHUBを接続して使用する際に発生する問題の一つとして、PD(Powered Device)の検知・削除が原因で接続が切断されることがあります。この記事では、この問題の原因と解決策について解説します。
1. 問題の背景と事象の詳細
PoE対応スイッチに、PoE機能のない通常のスイッチングHUBを接続して使用する際、PDの検知と削除(detected→remove)のログが数回発生し、その結果として接続が切れるという現象が確認されています。この現象は、PoE対応ポートが電力供給の対象となるPDデバイスを適切に検知できない場合に発生します。
2. 「power inline never」設定での解決方法
「power inline never」コマンドは、PoE機能を無効にするため、PoE機能が不必要な場合や、PoE機能のない機器を接続する際に有効です。この設定を使用すると、PoEポートからの電力供給が無効化され、PoE機能に関する検知エラーが防止されるため、問題が解決できる可能性があります。
ただし、PoEが必要なデバイスに対しては、別途PoE機能が有効なスイッチや、PoEインジェクターを使用することを検討する必要があります。
3. PD(Powered Device)の検知プロセスについて
PoEスイッチは、PoE機能を持つデバイスが接続された際に、そのデバイスに電力を供給するためのプロセスを実行します。このプロセスは、スイッチがデバイスを検知し、その消費電力を評価した上で適切な電力供給を開始するものです。検知のプロセスは以下の手順に従います。
- デバイスがPoEポートに接続されると、スイッチはそのデバイスがPoE対応かどうかを検知。
- デバイスがPoEに対応している場合、スイッチはそのデバイスの電力要求を確認し、必要な電力を供給。
- もし、PoEが必要でないデバイスや不具合がある場合、PoEポートは電力供給を停止し、接続が解除されることがあります。
4. 接続が切れる原因と対策
接続が切れる主な原因は、以下の通りです。
- PoE機能を必要としないデバイスがPoE対応ポートに接続され、スイッチがそのデバイスを正しく認識できない。
- PoEポートが電力供給を開始したものの、デバイスが適切に応答しない場合。
- スイッチのPoE設定や物理的な接続が不安定である場合。
これらの問題を防ぐためには、PoE機能が必要なデバイスにはPoEポートを使用し、PoE機能が不要な場合は「power inline never」設定を使用することが推奨されます。
5. まとめと推奨される解決策
PoE対応スイッチとPoE機能のないスイッチングHUBを使用する際に発生する接続切断問題は、「power inline never」設定を使用することで解決できる場合があります。また、PoE機能が必要な場合は、PoEインジェクターやPoE対応スイッチの使用を検討し、ネットワーク環境に応じた適切な構成を選ぶことが重要です。


コメント