舞台照明や調光現場で使用される通信プロトコルには、さまざまな方式があります。AXプロトコルとsACN通信はその中でも重要な役割を果たしますが、これらをどのように組み合わせて使うかに関する疑問が生じることがあります。この記事では、パナソニック製ノードNQ79029を使用したAXプロトコルの設定と、sACN通信卓を使った割り込み再生の方法について、具体的な設定方法とその動作について解説します。
1. AXプロトコルとは?基本的な構成とその役割
AXプロトコルは、舞台照明や調光システムで広く使用される通信プロトコルの一つです。このプロトコルでは、ポートごとに異なる系統(A系統、B系統、C系統、D系統など)を割り当てて、照明器具の制御を行います。例えば、ポート1にはA系統、ポート2にはB系統といった具合に、系統ごとに出力を管理します。
AXプロトコルは非常に精密で柔軟な制御が可能ですが、複雑なシステムでは、異なるプロトコルや通信方法の統合が求められることがあります。
2. sACN通信の基本とその特徴
sACN(Streaming Architecture for Control Networks)は、照明制御やエンターテイメント業界で使用される、リアルタイムのデータストリーミングをサポートする通信プロトコルです。sACNは、複数の機器をネットワーク越しに制御するため、舞台照明やショーの演出において非常に有効です。
sACN通信は、異なる系統やポートにデータを送信することができ、特に多くの機器が連携する場合に有効です。通常、sACNではユニバース(データの範囲)が重要な概念となります。
3. AXプロトコルとsACN通信を統合する方法
AXプロトコルとsACN通信を統合するためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。特に、AXプロトコルとsACNのユニバース設定を一致させることが重要です。
具体的に、AXプロトコルのA系統(ポート1)とsACNの00001系統が同じものであるかという疑問についてですが、これらは基本的に異なるプロトコルです。そのため、sACNのユニバース番号をAXプロトコルの系統番号に合わせることが必要です。
4. sACNのmerge設定による割り込み再生の実現
sACNのmerge機能を使うことで、AXプロトコルとsACNのシステムを統合することができます。merge設定を使用すると、sACNの信号を特定のポートに追加し、割り込み再生を可能にします。
具体的には、ポート1(A系統)に対してsACNのユニバース00001をmerge設定で追加することで、AXプロトコルのA系統とsACN通信の割り込み再生が可能になります。同様に、ポート2(B系統)には00002、ポート3(C系統)には00003、ポート4(D系統)には00002をmerge設定することができます。
この設定を行うことで、AXプロトコルの制御に加えて、sACN通信卓による割り込み再生が実現し、シームレスに両者を統合することができます。
5. 設定の注意点と動作確認
sACNのmerge設定を行った後、動作確認を行うことが重要です。実際に割り込み再生が正常に行われるか、照明器具の反応を確認することで、システムの整合性を確保できます。
また、通信卓や機器の設定によっては、ユニバースの番号やポートの設定が一致しないことがあるため、必ず設定が正しいかを確認してください。
6. まとめ
AXプロトコルとsACN通信の統合には、ユニバース番号の調整とmerge設定が鍵となります。適切な設定を行うことで、AXプロトコルの制御とsACN通信卓による割り込み再生をスムーズに実現できます。設定後は、動作確認を行い、システム全体の整合性をチェックすることをお勧めします。
コメント