Premiere ProでSDR動画とHDR動画を編集している際に、同じ色のテロップを使っているのに色味に差が出る問題に直面している方も多いです。特に、HDR動画上のテロップが灰色がかって見えるという現象は、設定や仕様に関係している可能性があります。この記事では、この問題の原因と解決策について詳しく解説します。
1. SDRとHDRの違いとその影響
SDR(Standard Dynamic Range)とHDR(High Dynamic Range)は、映像の色域や明るさの表現方法が異なります。SDRは比較的狭い色域を扱い、コントラストの幅も制限されています。一方、HDRは広い色域をカバーし、より深い明暗の差を表現できるため、色の再現性が高くなります。
この違いにより、同じ色をテロップに設定しても、SDRとHDRの動画では見え方に差が出ることがあります。特に、HDR動画では色の明るさやコントラストが強調されるため、テロップの色が灰色がかって見えることがあります。
2. 映像のカラープロファイルと色味の違い
Premiere Proでは、プロジェクトごとに異なるカラープロファイルを設定することができます。これにより、色味が異なる映像を統一して編集することができますが、SDRとHDRでは使用するカラープロファイルが異なる場合があり、色味に差が生じる原因となります。
特に、HDR動画にはRec. 2020などの広色域のカラープロファイルが使用されることが多いため、SDR動画に比べて色が鮮やかに見える一方で、テロップのような単純なデザインが灰色っぽくなることがあります。
3. 露光量の調整で色味を合わせる方法
色味の差を解決するために、Premiere Proの「ルメトリカラー」パネルを使用して、露光量を調整することができます。これにより、HDR映像の明るさやコントラストを調整して、SDR映像と似た色味に近づけることができます。
「ルメトリカラー」パネルで「露光量」を調整することで、HDR動画における過剰な明るさやコントラストを抑え、SDR動画の色味に近づけることが可能です。この調整は、テロップの見た目を改善するために役立ちます。
4. Premiere Proの設定を確認する
Premiere Proでは、映像のカラープロファイルを適切に設定することが重要です。もし、アプデ後に設定が変更されてしまっている場合や、意図しない設定が適用されている場合があります。
「プロジェクト設定」や「カラーマネジメント」の設定を確認し、SDRとHDRで異なるカラープロファイルを使用しないように統一することが推奨されます。また、テロップの色を手動で微調整することも有効です。
5. まとめと今後の対策
Premiere ProでのSDRとHDR動画のテロップ色差問題は、カラープロファイルや露光量の調整で解決できます。特に、HDR動画においては、色域が広いため、色味の差が発生しやすいことを理解しておくことが重要です。
解決策としては、まずカラープロファイルの設定を確認し、ルメトリカラーで露光量やコントラストを調整することです。これにより、SDRとHDRの動画間でテロップの色味を統一することができます。


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