ラスタ型、ドロー系、ベクター型の由来と意味を解説

「ラスタ型」や「ドロー系」、「ベクター型」といった言葉は、画像やグラフィックに関する用語ですが、その由来や意味が分かりにくいことがあります。これらの用語の背景を理解することで、デザインや画像編集ソフトを使う際により深く知識を活用できます。

1. ラスタ型（Raster）とは

ラスタ型は「ラスター（raster）」という言葉に由来します。ラスターは、元々「格子模様」や「点状の配列」を意味し、画像を小さな点（ピクセル）で構成したものを指します。つまり、ラスタ型は、画像を細かいドットの集まりとして表現する方法です。JPEGやPNGなどの形式はこのラスタ型に分類されます。

ドロー系とは、文字通り「描く（draw）」に由来します。ドロー系のソフトウェアは、図形や線を用いて画像を描くタイプのものです。これには、線や曲線を使って図形を作成し、それを編集する方式が含まれます。これに該当するのは、Adobe Illustratorのようなベクターグラフィックソフトです。

ベクター型の「ベクター」は、数学的な「ベクトル（vector）」に由来します。ベクター型画像は、数式を用いて形や線を描きます。これにより、画像は解像度に依存せず、サイズ変更をしても画質が劣化しません。代表的な形式は、SVGやAIファイルなどです。

ラスタ型、ドロー系、ベクター型は、それぞれに特性があり、使用する場面によって適切な選択が求められます。ラスタ型は、写真や詳細な画像に向いていますが、拡大するとピクセルが見えやすくなります。ベクター型は、ロゴやアイコン、図形描画に最適で、解像度に依存しないため、サイズ変更に強いです。

これらの用語は、デザインや画像編集における基礎的な概念です。ラスタ型は点の集合、ドロー系は描画を、ベクター型は数式を使った画像表現です。それぞれの特徴を理解し、使用するソフトウェアや作業に応じて使い分けることが重要です。