Illustratorの画像トレース機能(以前のライブトレース機能)は、書道文字やアートワークのトレースを行う際に非常に便利ですが、時には細かいカスレ部分がうまくトレースできないことがあります。この記事では、Illustrator CCで書道文字をより精細にトレースする方法と、トレース精度を向上させる設定について解説します。
Illustrator CCの画像トレースの問題
Illustrator CS2やCS5の「ライブトレース」では、書道の文字のカスレや細かいディテールをしっかりとトレースできていました。しかし、Illustrator CCの「画像トレース」機能では、精度が落ちてカスレ部分がうまくトレースされないことが報告されています。この問題の原因は、トレースアルゴリズムの変更や新しいインターフェースによる設定の違いです。
画像トレースは確かに進化していますが、デフォルトの設定では細かいディテールを捉えるのは難しく、特に書道のような繊細なタッチには不十分な場合があります。
細かいカスレをトレースするための設定方法
Illustrator CCで書道の文字のカスレを細かくトレースするためには、画像トレースの設定をカスタマイズする必要があります。以下の手順で設定を調整しましょう。
- 1. 画像を選択し、ウィンドウから「画像トレース」を選びます。
- 2. 「画像トレース」のパネルで、トレースの詳細設定に進みます。
- 3. 設定項目の「しきい値」を調整します。書道文字のカスレ部分を捉えるために、しきい値を高めに設定します(例えば、175〜200に設定)。
- 4. 「パス」オプションを上げて、線の精度を高めます。
- 5. 「最小エリア」の設定を小さくし、細かい部分を無視せずトレースするようにします。
- 6. 画像のトレース結果が不完全な場合は、「誤差の許容値」を細かく調整します。
これにより、書道の細かなカスレやディテールをより忠実にトレースすることができます。
補足: Illustratorの「再サンプル」を活用する
Illustrator CCでは、画像トレースにおいて「再サンプル」オプションが重要な役割を果たします。この設定を調整することで、より精細なトレースが可能になります。
「再サンプル」の設定を高くすることで、画像の解像度を上げ、細かいディテールをトレースする際の精度が向上します。特に書道文字などの複雑なパターンでは、再サンプル設定を調整することで、よりクリアで詳細なトレース結果が得られます。
Illustrator CCの「トレース結果」を微調整する方法
画像トレース後の結果に満足できない場合、トレースしたオブジェクトを手動で調整する方法もあります。パスの編集ツールを使用して、細かい部分を手直しすることで、より精度の高いトレース結果を得ることができます。
また、「トレース結果」を「拡張」し、パスをアンカーポイントで細かく編集することもできます。これにより、書道文字の特定の部分を調整して、理想的な形に仕上げることが可能です。
まとめ
Illustrator CCで書道文字のカスレまで細かくトレースするには、画像トレース機能の設定を細かく調整することが重要です。特に、しきい値や最小エリアの設定を適切に調整することで、精度を高めることができます。再サンプル機能や手動編集を駆使して、以前のライブトレースと同じ精度のトレース結果を得ることが可能です。これらの設定を試しながら、最適なトレース結果を手に入れてください。


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