寸法公差の均等振り分けと非均等振り分けの違いと設計意図

CAD

寸法公差は、製造や設計において非常に重要な要素であり、精度や許容範囲を示すために使用されます。質問で挙げられた「±表記」と「+、ー」表記の違いについて解説します。

1. ±表記による均等振り分けの意味

「50.2±0.5」のような±表記では、許容範囲が両側に均等に振り分けられています。この場合、数値は50.2を基準にして、上下0.5の範囲(49.7から50.7)の間で製品が許容されることを示します。均等振り分けは、製品の精度が均等に要求される場合や、どちらの方向に誤差があっても問題ない場合に使用されます。

2. 非均等振り分けの意味(+、ー表記)

「50<+0.7/-0.3>」のような表記は、非均等振り分けと呼ばれ、誤差が正方向と負方向で異なる許容範囲を示します。この場合、上限は50.7、下限は49.9となり、正方向の許容誤差が大きく、負方向の許容誤差が小さいことがわかります。非均等振り分けは、製品の機能やデザイン上、片方の方向に誤差が大きくても問題ない場合や、製造上の都合で振り分けが不均等になる場合に使用されます。

3. 設計意図における適用方法

設計意図に基づき、どちらの振り分けを選択するかは、製品の使用目的や精度要求に依存します。均等振り分けは通常、特に誤差がどちらの方向にも影響を及ぼす場合に使用され、非均等振り分けは、誤差が一方向に許容される場合に使用されます。設計者は、製品の機能や性能要求に合わせて、最適な公差を設定します。

4. まとめ

±表記(均等振り分け)と+、ー表記(非均等振り分け)の違いは、製品の精度要求や設計上の要件に応じて選択されます。均等振り分けは誤差が両方向に同じ範囲で許容される場合に使用され、非均等振り分けは一方向に許容誤差が大きい場合に使用されます。どちらの方法を選択するかは、設計の意図に基づいて慎重に決定することが重要です。

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