ガウスの消去法は、連立一次方程式を解くための効率的なアルゴリズムです。質問者はPythonでガウスの消去法を実装している最中に、計算結果が期待通りでないという問題に直面しています。この記事では、ガウスの消去法におけるエラーの原因を特定し、その修正方法を解説します。
ガウスの消去法の基本的なアルゴリズム
ガウスの消去法は、連立一次方程式を解くために、行列の行を操作して解を求める方法です。まず、係数行列の上三角化を行い、その後、後退代入法を使用して解を求めます。計算中に、各行の要素をゼロにするために行の変換を行い、最終的に解を得ます。
アルゴリズムの主なステップは以下の通りです。
- ピボット選択(行のスワップ)
- 行のスケーリングと加算
- 後退代入
エラーの原因:行列のサイズを正しく更新しない
質問者のコードで出力された行列と正しい結果の違いは、主に「ピボット後の行のスケーリングと更新」を行わず、代入していないことが原因です。具体的には、`A[i][j]`を更新する際、B行列の対応する要素`B[i]`の更新を行わない部分が問題です。これにより、最終的な行列の値が正しく計算されません。
修正方法:行列とベクトルの更新を正確に行う
問題を解決するためには、行列のスケーリングとベクトルの更新を正確に行う必要があります。以下に修正したコードを示します。
import numpy as np
A = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 4], [6, 8, 9]])
B = np.array([3, 6, 9])
n = A.shape[0]
for k in range(n-1):
for i in range(k+1, n):
m = A[i][k] / A[k][k]
for j in range(k, n):
A[i][j] -= m * A[k][j]
B[i] -= m * B[k]
print(A)
print(B)
上記の修正により、`A[i][j]`と`B[i]`の両方が正しく更新され、計算結果が期待通りになります。
デバッグと確認:正しい結果を得るためのチェック方法
プログラムが正しく動作しているかどうかを確認するためには、計算結果が期待通りであることを手動で確認することが重要です。小さな行列を使って手計算で解を求め、その結果とプログラムの出力を比較することで、問題がどこにあるかを明確にできます。
まとめ
ガウスの消去法をPythonで実装する際の一般的なエラーは、行のスケーリングやベクトルの更新を忘れることです。質問者の場合、`A[i][j]`と`B[i]`の両方を正しく更新することで問題が解決しました。行列の操作を行う際には、常に対応する行とベクトルの両方を更新することを意識しましょう。
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