ネットワーク環境を構築する際に使われる「スイッチングハブ」と「LANケーブル分配器」。一見、似たような機能を持っているように思えますが、その役割や使用方法は異なります。この記事では、これら2つの機器の違いを解説し、選び方のポイントを紹介します。
スイッチングハブとは?
スイッチングハブは、複数のデバイスをネットワークに接続するための機器です。複数のポートを持ち、ネットワーク通信を中継して、各デバイス同士を接続します。データの転送先を決定するために、MACアドレスを基に通信を制御するため、効率的な通信が可能です。
スイッチングハブは、ネットワーク内でのデータ転送を最適化し、デバイス同士が直接通信するのを助けるため、特に複数のデバイスを接続する際に役立ちます。
LANケーブル分配器とは?
LANケーブル分配器は、主に1本のLANケーブルを複数の端末に分けるための機器です。これは基本的に「物理的な分配」に過ぎないため、データの転送先や通信を制御する機能はありません。単純にケーブルを分けることで、複数の端末が同時に接続される形になります。
例えば、オフィスや家庭内で1本のLANケーブルを使用して、複数のPCやデバイスを接続する場合に使われます。ただし、通信速度や品質が制限される場合があるため、利用には注意が必要です。
スイッチングハブとLANケーブル分配器の違い
これらの違いは主に以下のポイントに集約されます。
- 機能:スイッチングハブはデータ転送の制御を行い、効率的なネットワーク通信を実現しますが、LANケーブル分配器は単に物理的にケーブルを分割するだけです。
- 用途:スイッチングハブはネットワーク全体の通信管理を行うため、複数のデバイス間でのスムーズなデータ転送をサポートします。LANケーブル分配器は、限られた場所で手軽に複数のデバイスを接続したい場合に使われます。
- 通信速度:スイッチングハブは、データ転送の最適化を行うため、通信速度が向上します。分配器の場合、通信速度や安定性はそのままです。
スイッチングハブの選び方
スイッチングハブを選ぶ際には、ポート数や通信速度を考慮する必要があります。例えば、家庭用であれば5~8ポートのハブが適しており、オフィスや企業向けではより多くのポートを持つモデルが求められることがあります。また、ギガビット対応のものを選べば、より高速な通信が可能です。
さらに、管理機能がついているハブ(管理型スイッチ)を選ぶと、より高度なネットワーク管理が行えます。
まとめ
スイッチングハブとLANケーブル分配器は、ネットワークにおける役割や機能が異なります。スイッチングハブはネットワーク通信の効率化を目的とした機器であり、LANケーブル分配器は単にケーブルを物理的に分割するための機器です。使用シーンや必要な機能に応じて、適切な機器を選ぶことが重要です。


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