複数のNIC(ネットワークインターフェイスカード)を持つパソコン間でのネットワーク設定や共有フォルダアクセスに関する問題は、設定の違いによって発生することがあります。特に、Windows 10とWindows 11ではネットワークの挙動に若干の違いがあり、アクセスできないという問題が発生することがあります。この記事では、複数のNICを持つパソコン同士での共有フォルダアクセスがうまくいかない場合の原因と解決策について解説します。
1. 複数NICを持つネットワーク環境での問題
パソコンAとパソコンBにそれぞれ2枚のNICがあり、異なるサブネットで接続されている状況では、各NICのIPアドレスが重要な役割を果たします。通常、pingコマンドやフォルダアクセスは、最も適切なネットワークインターフェイスが選ばれますが、特にNICが2枚ある場合、Windows 10やWindows 11の設定によって自動的に切り替わらないことがあります。
このような状況では、片方のLANケーブルを抜いたときに、PCが適切なインターフェイスを自動的に選択しないことが原因となります。これにより、Windows 11では「\PC-B\dataにアクセスできません」というエラーが発生します。
2. Windows 10とWindows 11のネットワーク設定の違い
Windows 10とWindows 11はネットワークの管理方法に若干の違いがあります。Windows 10では、複数のNICがある場合に、使用中のインターフェイスが自動的に切り替わり、共有フォルダにアクセスできることが多いです。しかし、Windows 11では、この切り替えがうまく機能しない場合があります。特に、NICの設定や優先度が適切に構成されていない場合、pingコマンドでの接続や共有フォルダへのアクセスが失敗することがあります。
具体的には、Windows 11では、NICの優先順位が正しく設定されていない場合、ネットワーク接続が自動的に切り替わらず、アクセスできなくなることがあります。
3. 自動的にNICを切り替えるための設定方法
この問題を解決するためには、ネットワークの設定を適切に調整する必要があります。以下の手順で、Windows 11が複数NICをうまく切り替えるように設定できます。
3.1 NICの優先順位を設定する
1. ネットワークとインターネット設定に移動します。
2. アダプターオプションの変更を選択し、表示されたネットワークアダプター一覧から、使用したいNICを選びます。
3. 選択したNICを右クリックし、プロパティを選択します。
4. インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)を選択し、詳細設定ボタンをクリックします。
5. インターフェイスのメトリックにチェックを入れ、NICの優先順位を設定します。最も優先するNICのメトリックを低く設定します。
3.2 ルーティングテーブルの確認と修正
コマンドプロンプトを開き、route printと入力することで、現在のルーティングテーブルを確認できます。必要に応じて、route addコマンドを使用して、特定のIPアドレスに対するルートを手動で追加することも可能です。
4. フォルダアクセスの確認
設定を変更した後、再度共有フォルダへのアクセスを確認します。まず、パソコン間でpingを実行して、ネットワーク接続が確立されていることを確認しましょう。その後、共有フォルダのパス(例:\PC-A\data)を再度入力し、アクセスできるかどうかを確認します。
もしまだアクセスできない場合は、ファイアウォールやセキュリティソフトが原因となっていることもありますので、それらの設定も確認してみましょう。
5. まとめ
複数NICを持つパソコン間で共有フォルダにアクセスできない問題は、ネットワーク設定の優先順位やルーティング設定が原因であることが多いです。特に、Windows 10とWindows 11ではネットワーク管理の挙動が異なるため、手動で設定を変更することで問題を解決できます。
これらの手順を試しても解決しない場合は、ネットワークドライバーの更新や、PC間のネットワークの診断を行うことをおすすめします。
コメント