IllustratorでPANTONEカラーを使用したデザイン制作は、特にパッケージデザインなどで重要です。しかし、Adobeの仕様変更でPANTONEカラーブックが順次削除されており、どのカラーブックを使用するべきか迷うことがあります。この記事では、PANTONEカラーを使用する際の注意点や、どのカラーブックを選べばよいかについて解説します。
1. PANTONEカラーのカラーブックの種類
IllustratorにはPANTONEのカラーブックがいくつかあります。主に以下のカラーブックが使用されます。
- Coated: 光沢紙用のカラーブック。パッケージやカタログに使われることが多い。
- Uncoated: 紙質が光沢のないマットな仕上がりのカラーブック。名刺やチラシに適している。
- Metallic Coated: メタリックカラーの印刷に使用される。
デザイン業界では、特に印刷物において色の再現性が重要であり、パッケージデザインの場合、特にCoated(コート紙用)カラーブックを使用することが一般的です。
2. IllustratorでPANTONEカラーを選ぶ際の注意点
IllustratorでPANTONEカラーを選ぶ際には、カラーブックの選択が重要です。特に、CMYKを使用してカラーを再現する場合、PANTONEの色とCMYKの値が一致しないことがあります。
最新のIllustratorでは、PANTONEカラーがいくつかのカラーブックに分かれていますが、CMYK値に基づくPANTONEの色を選択する場合、カラーブックの選択肢が異なることがあるため、どのカラーブックを選ぶかが重要です。
3. CMYKカラーブックとPANTONEカラーの違い
Illustratorでの「Pantone + CMYK」のカラーブックには、基本的にCMYKで再現可能な色がリストされています。これらの色は、特色印刷のPANTONE色とは異なり、プリンタブルなCMYK値に基づいて色が表現されるため、黒丸マーク(特色のシンボル)は付いていません。
このカラーブックを使用すると、CMYKでの印刷で可能な色を選ぶことができますが、カラーの再現性が完全に同じになるわけではありません。特に、特色印刷で求められる正確なPANTONEカラーを再現する場合は、PANTONE固有の色を選ぶ必要があります。
4. IllustratorでPANTONEのカラーブックを利用する方法
PANTONE Connectや旧バージョンのIllustratorで使用されていたカラーブックを利用する方法もあります。もし、Illustrator 2023以降のバージョンでPANTONEカラーのカラーブックが削除されている場合、以下の方法を試すことができます。
- 旧バージョンを使用する: Illustrator 2023以前のバージョンが残っている場合、旧カラーブックを使用することができます。
- PANTONE Connect: PANTONE Connectは、PANTONEカラーにアクセスするためのオンラインサービスです。これを利用することで、最新のPANTONE色を選ぶことができます。
- サードパーティのカラーブックをインストール: 追加でサードパーティ製のカラーブックをインストールすることも可能です。
これらの方法を使うことで、PANTONEカラーを再利用することができます。
5. デザイン業界の暗黙のルールとカラーブック選び
デザイン業界では、PANTONEの色選定に関してある程度のルールや暗黙の了解があります。一般的に、Coated(光沢紙用)のカラーブックを使用するのが基本です。
「PANTONEで色を指定する」と言われた場合、特に指定がなければ、光沢紙用の「Coated」を選ぶことが多いです。ただし、最終的にはお客様の要望に応じて、どのカラーブックを使用するかを決めることが重要です。
まとめ
IllustratorでPANTONEカラーを使用する際、カラーブックの選択とCMYKカラーとの違いを理解することが重要です。特に、パッケージデザインにおいては「Coated」カラーブックを使用することが一般的ですが、最新のIllustratorでは一部カラーブックが削除されているため、PANTONE Connectや旧バージョンのIllustratorを活用する方法があります。
これらの方法を駆使して、正確なPANTONEカラーを選び、クオリティの高いデザイン制作を行いましょう。
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