Excel VBA: ListView1の処理速度を向上させる方法

Visual Basic

Excel VBAでListView1の処理を行う際、パフォーマンスを向上させる方法について解説します。特に、`Application.ScreenUpdating = False`と`Application.EnableEvents = False`を使用している場合に、処理速度を速くするためのポイントを見ていきましょう。

1. 処理速度が遅くなる原因

VBAでのパフォーマンス低下は、特に大量のデータを扱っている場合に顕著に現れます。`ScreenUpdating`と`EnableEvents`を`False`に設定することで、画面の更新やイベントのトリガーを防いでいるため、確かに処理速度は向上しますが、それでも遅く感じることがあります。

2. 最適化するための基本的なアプローチ

まず、コード内で最も重い処理を特定することが重要です。特に、`For`ループや`Cells`オブジェクトにアクセスする箇所はパフォーマンスを大きく影響させます。効率的に処理を行うためには、次の点に注意してください。

  • 配列を使用する: `Cells`で直接アクセスするのではなく、データを配列に格納し、配列操作で処理を行うことで大幅に速度が向上します。
  • 不要なループを減らす: リストアイテムを処理する際に無駄なループを減らすことで、パフォーマンスを向上させることができます。
  • データの絞り込み: 最初に必要なデータをフィルタリングし、処理対象のデータを絞ることで、不要な計算を減らします。

3. 改善例: 配列を利用した最適化

以下のコードは、配列を使用して`ListView1`の選択されたアイテムを処理し、処理速度を向上させた例です。

Private Sub ListView1_KeyDown(KeyCode As Integer, ByVal Shift As Integer)
Dim i As Long, r As Long
Dim wS As Worksheet ' データ元のシート
Set wS = ThisWorkbook.Sheets("D")

Application.ScreenUpdating = False
Application.EnableEvents = False

Dim dataArray As Variant
dataArray = wS.Range("A1:C" & wS.Cells(wS.Rows.Count, 1).End(xlUp).Row).Value

With UserForm2
    With .ListView1
        For i = 1 To .ListItems.Count - 1
            If .ListItems(i).Selected = True Then
                For r = 1 To UBound(dataArray, 1)
                    If dataArray(r, 3) = .ListItems(i).SubItems(2) Then
                        Worksheets("A").Range("E5").Value = dataArray(r, 3)
                        Worksheets("B").Range("W4").Value = dataArray(r, 3)
                        Exit For
                    End If
                Next r
            End If
        Next i
    End With
End With

Application.EnableEvents = True
Application.ScreenUpdating = True
End Sub

この例では、`wS`シートのデータを配列`dataArray`に格納し、`For`ループ内で直接セルにアクセスするのではなく、配列内のデータを参照して処理しています。これにより、処理のスピードが大幅に改善されます。

4. 追加のパフォーマンス向上方法

さらにパフォーマンスを向上させるために、次の方法を検討してください。

  • 全体の処理を1つの大きな処理にまとめる: 可能であれば、複数の処理を1つにまとめ、再度画面更新やイベントをオンにするのは最終的に行うようにします。
  • 無駄なデータ参照を減らす: 可能な限り、同じデータに繰り返しアクセスするのを避けるため、事前に必要なデータを配列に格納します。

まとめ

`Application.ScreenUpdating = False`や`Application.EnableEvents = False`を設定しても、処理が遅く感じることがあります。最も効果的な方法は、処理の重い部分を最適化し、データのアクセス方法を改善することです。配列を利用したデータ処理や、無駄なループの削減などを行うことで、VBAコードの処理速度は大幅に改善できます。

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